官公庁が仕事納めを迎えた12月28日、新潟県三条市の滝沢亮市長は11月9日の市長就任から初めての年末年始を前に、集まった100人余りの職員に対して年末のあいさつを行った。
滝沢市長は、せっかくの職員のアイデアがスピーディーに問題提起しづらい職場環境にあることに気付かなかったことに反省するとともに、これを境に市民に充実したサービスを提供するためにもスピードを意識して上に声を上げるよう求めた。あいさつの全文は次の通り。
滝沢亮三条市長の年末あいさつ全文
皆さんおはようございます。ことしは新型ウイルス問題の対応をはじめ本当に1年間、お疲れさまでした。ただまだ連日、三条市をはじめ県内では感染者が発生しておりますので、年末年始、念のため皆さまにあらためてお伝えしますけれども、気を引き締めて過ごすようにしてください。
そして新型ウイルス問題の対応等でお仕事、大変だったと思いますが、さらに11月には市長が変わって戸惑っている方も多いかと思いますけれども、それへの対応もありがとうございました。
さて、先週の金曜日、例月政策会議がありました。ことしは3班がいずれもすばらしい発表をしてくれました。そのうちの1つの班が災害時、職員は市役所に缶詰めになる。そのときのために子どもを市役所に連れてきたい、その間、子どもを市役所のなかで見てほしい、そのようなアイデアが上がってきました。
とてもすばらしい内容です。でもわたしは言いました。そんなすばらしい意見だったら、この例月政策会議、毎年4月にメンバー募集して、5月にチームづくりします。なんで12月の最終の金曜日までその話、上げてこなかったんですか、黙ってたんですかと、わたしはそのメンバーに注意してしまいました。声を上げてしまいました。
でも家に帰ってよくよく考えてみたら11月に就任して以降、2カ月間、そのような大事なこと、皆さんにとって役立つことを、ひいては市民の皆さまに充実したサービスを提供するために大事なことを、なかなか声を上げづらい、スピーディーに問題提起しづらい職場環境にあることを、わたしがこの2カ月、気づけなかった。だからわたしは3人に注意してしまいましたけれども、わたしの責任だ、そのように家に帰ってから反省しました。
でも、きょう、この場でわたしがこの話をした以降、今後は皆さんは気づいたこと、気になったこと、改善したいこと、改革したいことをすぐ相談しなければなりません。すぐ問題提起しなければなりません。すぐ上に上げなければなりません。係長に課長に補佐に部長に場合によってはわたしに直接に。わたしがこの話をした以上、それをしないということは、市民の皆さまに対する充実したサービスを早急に提供したい。今度は皆さんがそれを怠る、そういうことになるんです。
最初の訓示で市民の皆さまに充実したサービスを提供しましょう。わたしはそう答えました。内容ももちろん大事です。でもスピードも大事なんです。百点満点。最初から百点満点というのはなかなかやりづらいです。だから60点でもいい、80点でもいい。結果から見ると40点だったかもしれない。でもスピード、来年以降はもちろんことし、きょう、今からも午後からも仕事がありますけれども、スピードということを意識して来年以降は仕事に臨むようにしてください。
そして部下がきょう、わたしの話を聞いて改善の話があった、改革の話があった新しいものを取り入れたい話があった、ちゃんと上司の皆さん、場長の皆さんは、その話を無碍に取り扱うんじゃなくて、 聞いてください。話し合ってください。そして必要だと思えばわたしに話をする、違う部長に話をする、違う人に相談する。そのような手続き、プロセスを怠らないようにしてください。
いずれにせよことし1年間、大変な年だったと思います。 でも市民の皆さんはもっと大変です。そのことを心から忘れることなくよい年末年始をお過ごしください。 それでは1月4日に皆さんの元気な顔と再度この場で見れることを楽しみにしています。今年1年間ご苦労さまでした。