新潟県弥彦村の越後一宮「弥彦神社」で1月7日、ことしの五穀豊穣と除災招福を祈念する恒例の「弓始(ゆみはじめ)神事」が行われた。
伊夜日子大神さまが武勇に秀でたことにちなんで毎年1月7日に行われている。午前9時から拝殿で神事を行い、神前に七草の粥(かゆ)をはじめ特殊な供物を供え、天地四方に向けて弓を鳴らす鳴弦(めいげん)の式を行った。
そのあと拝殿わきに設けた射場で百射の儀を行い、45メートル先にある的に向けて10人の神職が合わせて100本の矢を放った。的に命中すると「あたーりー!」の大きな声が響き渡り、射手は棒を土に刺して立てた。ことしは昨年より9本少ない66本が当たった。
この日は大寒波の襲来が予想された。神事が始まったころは風が強くみぞれが降る荒天だったが、百射の儀が始まるとしだいに天気が上向き、百射を終える正午ごろまで奇跡的なくらいの青空が広がった。
昨年は暖冬でまったく積雪がなかったが、ことしは年末年始の寒波で境内は厚く積もった雪が純白の舞台を用意した。
コロナ禍でことしはそもそも初詣客が少なく、大荒れの予報に見物客は少なかった。弓を射る神職も寒さに震えて狙いを定めるのに苦労しているようだった。