新潟県三条市の滝沢亮市長は13日の臨時記者会見で、三条市の人口当たりの陽性者数は県内で突出しており、瞬間風速では緊急事態宣言が出された1都3県に匹敵しているとして強い危機感を示し、三条市の感染状況をデータでわかりやすい形にして市民に注意喚起した。
健康づくり課が「三条市内における新型コロナウイルスの感染状況」をまとめたもの。三条市の人口10万人当たりの陽性者数は県内トップの101.5人。次いで燕市59.5人、柏崎市42.5人、新潟市36.9人、長岡市13.0人、上越市11.7人と続くが、三条市は突出している。全県平均は22.3人で、その5倍近く、燕三条地域が県内の感染拡大の中心になっている。
直近1週間当たりの陽性者数は「12月16日〜22日」、「12月23日〜29日」、「12月30日〜1月5日」の3週に分けて数値化し、1都3県と比較した。
このうち「12月23日〜29日」の週に限ると、1都3県は東京都の46.3人を最高に、神奈川県33.1人、埼玉県23.9人、千葉県23.8人の順に多いが、三条市は33.5人で東京都に次いで多く、3県を上回っている。この週、三条市は最も多い32人の陽性が発表されている。
滝沢市長は「人口当たりの陽性者数で三条市が新潟県内で突出している状況を見てとることができる」、「瞬間風速ではあるが、緊急事態宣言が出されている1都3県に匹敵する感染規模となる状況が三条市内で生まれている」ことがわかる。
さらに徹底した感染防止を呼びかけるため、「今回は文字だけでなくグラフや数字で目で見て三条の状況をすぐわり、今まで以上に注意喚起するような形にした」。滝沢市長名で5日にも市民に注意喚起のメッセージを出しているが、今回も再度のお願いを市のホームページ、新聞折り込みちらし、回覧板で周知する。
感染経路不明や無症状者からの感染が多く、家庭内での感染も見られることから「自身や家族、家庭を守るため、マスクの着用や手指の消毒など基本的な感染対策をあらためて徹底されるよう市民に強く、強く守っていただきたい」とした。
県でも三条市をはじめ感染者が増えている県央地域では会食に気をつけることなどを求める声がある。記者から三条市内での陽性が突出している理由を問われて滝沢市長は「推測、憶測レベルではさまざまなことが考えられると思うが、県としても正式にどのようなことを理由にということは見解を発していないし、三条市としても専門的な知見から判断できる立場になく、具体的な理由には三条市役所、三条市長しての見解を差し控えさえていただく」と答えるにとどめた。
また、職員に感染者や濃厚接触者が確認された場合にも市民サービスに直結する業務が遅延なく行えるよう、在宅勤務や分散勤務の体制を今週中に検討し、来週始めから実施する。「市民への再度への再度のお願い」は次の通り。