新潟県燕市は27日、本庁舎に勤務する男性職員1人の新型コロナウイルス感染が確認されたことを公表した。燕市職員の感染確認は初めて。本庁舎は市民課の臨時窓口を開設して対応する以外は閉庁状態にし、来庁を控えるよう市民に呼びかけ、本庁舎の消毒、職員のPCR検査の実施など感染拡大防止に徹底して取り組む。
感染がわかった男性職員は燕市在住で県外移動歴はなく、リスクの高い行動もとっていない。週明け25日は出勤してせきの症状があり、翌26日に医療機関を受診し、検体を採取。27日に陽性とわかった。濃厚接触者は県が調査中。
この職員は窓口業務を担当していないので、市民への感染の可能性は低いと思われる。感染拡大防止の観点から感染者が確認された燕市内の高齢者福祉施設もそうだったように、県の感染者の発表を待たずに27日午後5時から市役所で鈴木力市長が臨時記者会見を行って職員の感染確認を公表した。
感染拡大防止の対応として、27、28日の2日間は職員で本庁舎を一斉消毒する。濃厚接触者に限らず感染がわかった職員が所属する部署の職員50〜60人は全員は28日に自主的なPCR検査を受け、検査結果がわかるまで自宅待機か自宅勤務とする。濃厚接触者とわかればさらに経過観察などの対応を行う。
市民が安全に来庁できる業務体制が確保できるまで当分の間、窓口対応は消毒済みのエントランスホールに設置する臨時窓口で行い、それ以外は閉庁と同じような状態になる。急がない場合は本庁舎へ来庁しないよう市民に呼びかける。
燕サービスコーナー、分水サービスコーナーは通常通り業務を行う。また28日に予定していた令和3年度第1回臨時会は中止し、議案は専決処分とする。
燕市は以前から職員の感染を想定した対応マニュアルを何度も練り直しており、27日も新たな検討をしたり戸惑ったりということはなく、マニュアルに従って対応した。
27日は水曜で午後7時半までの延長窓口だったが、通常通り5時15分で市民課前のリングシャッターを閉め、その手前のエントランスホールに臨時窓口や記載台を設置し、「職員の新型コロナウイルス感染事業の発生報告と市民の皆様へのお願い」とある鈴木市長のメッセージを張り出した。
県が12月17日に新型コロナウイルス感染症に対する警報を発令しており、燕市もそれに呼応して庁舎を赤い光で照らして警報発令を知らせるレッドライトアップを行っているが、それでも職員の感染が防げなかった。市長のお願いの全文は次の通り。
職員の新型コロナウイルス感染事案の発生報告と市民の皆様へのお願い
本日、市役所本庁舎に勤務する職員が新型コロナウイルスに感染したことが確認されました。本事案に関する県の正式な発表前ではありますが、燕市として感染拡大防止のため、下記のとおり対策を講ずることといたしました。
なお、当該職員は窓口業務を担当する職員ではありませんので、当該職員の業務を原因とした市民の皆様への感染拡大の可能性は低いものと捉えております。
市民の皆様におかれましては、当分の間、急を要しない場合は本庁舎への来庁をご遠慮いただきますようお願い申し上げます。
ご迷惑とご不便をおかけすることに対し、心よりお詫び申し上げるとともに、より一層の感染予防と感染拡大の防止に努めてまいりますので、何卒ご理解いただきますよう重ねてお願い申し上げます。
令和3年1月27日 燕市長 鈴木 力