法華宗総本山「本成寺」(門谷日悠貫主・新潟県三条市西本成寺1)は28日午後6時ごろ、公式Facebookページに「重大発表 まもなく解禁」と投稿。何ごとかと地元ネット民をざわつかせた。
公式Facebookページで、投稿後24時間たつと閲覧できなくなる「ストーリーズ」と呼ばれる機能を使って投稿した。青空の下に立つ本成寺三門の写真とともに金文字で「重大発表 まもなく解禁」のテキストを掲載した。
本成寺と言えば全国から参拝者を集める節分の鬼踊りが有名。ことしは新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2月2日は節分会法要は行うが、鬼踊りは中止した。
その節分まで残り5日のこともあり、鬼踊りをライブ配信するのではなど、いくつかの憶測が流れた。意図的に情報を隠して注意を引くティーザー広告と呼ばれる類の手法だ。すでに夜だったがさっそく本成寺へ取材に向かった。
寺務所に着いたが誰もいない。しかし廊下の奥の部屋に人の気配。そちらへ向かうと部屋のあかりがついていて話し声が漏れ聞こえきた。たまたま通りかかった僧りょに取材の糸をたずねるとあまり承知していなかったようで、部屋の中の僧りょを呼び出してくれた。
あらためて「重大発表」の内容を質問すると、オンラインショッピングを開始すると言う。いつ開始するのか聞くと、もう15分後くらいとのこと。さらになぜ今、オンラインショッピングなのかとたずねると、まだ鬼踊りの中止を決めていない昨年の秋から開設の準備を始めたと言う。
新型コロナウイルス感染拡大で鬼踊りを見物したくても本成寺に来にくいだろう、本来なら鬼踊りで本成寺を訪れて求めたであろう、お守りやお札を本成寺へ来なくても手に入れられるようにと、節分前のスタートを目指してオンラインショッピングを企画したというわけだ。
スタートではカテゴリー別で「鬼踊りグッズ」9、「お札・お守り」21、「お線香」3、「その他」2の計35アイテムを扱っている。購入総額5,000円以上で送料無料となるあたりも郷に入っては郷に従えで、ネットショップのスタイルにならっている。
企画を進めたのは若手の僧りょで、ティーザー広告にしたのはオンラインショッピングを盛り上げたかったからと言う。近年、寺や神社のブランディングが進んでいる。オンラインショッピングをきっかけにより多くの人が本成寺に目を向けてくれることに期待している。
オンラインショッピングサイトの開設はFacebookとTwitterの公式アカウントにも投稿した。Instagramにも公式アカウントがある。宗教団体にも新しい生活様式が求められる時代だ。