新潟県燕市の鈴木力市長は3月1日、燕市議会の3月定例会で令和3年度施政方針演説を行った。
冒頭、鈴木市長は、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大に対し、市独自の対策を「フェニックス11+(イレブンプラス)」と銘打って取り組んだが、今なお感染拡大の収束が見通せないとした。
歳入では普通交付税の一本算定への完全移行による縮減に加え、感染拡大の影響で個人消費の落ち込みや企業活動の停滞から自主財源の根幹である法人市民税や個人市民税の複数年にわたる大幅な減収が見込まれ、歳出では引き続き感染症対策経費が必要となり、人口減少対策や公共施設の老朽化対策、社会保障関連経費や公債費の増など、これまでの財政負担の増加要因が相まって、さらに厳しさが増すと見込む。
コロナ禍を地方がピンチをチャンスに変えるまたとない好機でもあり、社会のデジタル化の流れが加速し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められるなか、テレワークの普及、地方への移住の関心が高まり、サプライチェーンの見直しが進み、海外に移していた生産拠点を国内に戻す動きがある。
デジタル社会、分散型社会に迅速、的確に対応できるかどうかが、地方自治体の将来を左右する。この現状認識から令和3年度当初予算案は、難局を変革の機会と前向きに捉えた積極的予算として、感染症対策を継続しながら第2次燕市総合計画に掲げる「3つの人口増戦略」を柱に、「フェニックス11+の継続で乗り切るウィズコロナ」、「アフターコロナを見据えた地域社会のDX推進」、「『ピンチをチャンスに』新たな地方創生で地域活性化」の3つの施策を重点的に実施する内容としたと述べた。