370年前に始まった三条凧合戦(いかがっせん)の歴史と伝統を受け継ぐ三条凧協会(須藤謙一会長)は、三条市内の小中学校や特別支援学校すべてに1校1枚ずつ六角巻凧を寄付しようと3月1日、三条市にその目録を贈呈した。
寄付する六角巻凧は市内で唯一の凧店、須藤凧屋の三条凧協会会長でもある須藤謙一さん(53)が製作。縦212×横173センチの「30枚ド」と呼ぶ合戦にも使われる大きさの凧で、三条凧協会の18の凧組の凧に描かれた武者柄などすべての凧に異なる絵柄に学校名と校章を描く。
5月半ばまでにすべて製作。加えて三条凧合戦の技の名前や技術を学べるDVDも製作し、あわせて各学校に配布する。
昨年の三条凧合戦は新型コロナウイルス感染防止のため、雨で中止して以来42年ぶりに中止せざるを得なかった。今回の寄付を通じて子どもたちが伝統の六角巻凧にいつでもふれて遊べる環境を用意したいと寄付することにした。製作費用は三条凧協会の高橋一夫顧問が負担する。
1日は須藤会長と結城靖博副会長、高橋顧問、飯塚明事務局長の4人が裏館小学校に寄付する凧を持参して市役所を訪れ、須藤会長から滝沢亮市長に目録を手渡した。
須藤会長は「凧は学校関係ですごく喜んでもらっているので、大いに活用していただきたい」と話した。ことしの三条凧合戦は5月29、30日の開催。30日の開会式の出席や凧組への参加を求められた滝沢市長は「ちょうど市役所の採用も始まるので、合戦に参加した人は採用の優遇を」と笑わせた。
須藤会長は「ぜひ凧合戦の雰囲気を味わって協力してほしい」と求め、滝沢市長が「来年は学校対抗大会ができれば」と期待すると須藤会長らも共感していた。