新潟県三条市は1日、5人目の三条農業マイスターに果樹産地の三条市大島地区でナシを栽培し、新潟県指導農業士の高野弘明さん(56)を認定した。
卓越した技能をもつ市内農業者の認知度を高め、伝統の継承と人材の育成を図ろうと、三条市は2018年度に三条農業マイスター認定制度を創設した。
県指導農業士を務めて2年が経過した人を基準に認定しており、18年度に4人を認定して以来、認定は2年ぶりで5人目となった。
高野さんは35年以上、和ナシと洋ナシを栽培し、18年から県指導農業士として活躍している。1日は市役所で滝沢亮市長から高野さんに認定証と三条農業マイスターの文字やロゴがデザインされたブルゾンを手渡した。
高野さんは電動剪定(せんてい)ばさみとナシの枝を持参して、枝切りを実演。大島地区では高野さんを含めてまだ3軒の農家しか取り組んでいないというナシの木をとなり同士でつなげることで樹が助け合いながら樹勢維持する「ジョイント仕立て」の技術を滝沢市長に紹介した。
高野さんは後進の育成について「できる限りのことはしたいと思っている」、「稲作や野菜には都会から来てるのに、テレビでは果樹はあまり見られない」と担い手を心配した。