新潟県弥彦村が新型コロナウイルスワクチン集団接種の会場とする弥彦体育館で5日、県と村が共同して集団接種の模擬訓練を行い、実施に向けて課題を洗い出し、副反応への対応も確認した。
県内で県による模擬訓練はこれが初めて。看護師、薬剤師、保健師、村職員ほか、被接種者として老人会の高齢者約80人も参加。本番さながらに検温、受け付け、診察、接種、接種済証の発行、健康観察と一連の流れを行い、動線や人員の配置、設備などを確認した。
ワクチン接種を受けた人がアナフィラキシーの症状を訴えた想定で、医師を呼んでAEDや車いすを用意し、救護室へ運んでアナフィラキシー補助治療剤を注射し、救急搬送するまでの対応も訓練した。
県内20市町村から主に福祉、保健関係の部署に就く職員合わせて約40人が視察に訪れ、質問したりメモを取ったりしていた。三条市の職員は「ひとりにどれくらい時間がかかるのか、どんな流れで進むのか、どうやったら十分に健康観察できるとか、自分でもあるていど考えていたので、これいいなとか、これはちょっと難しいなとかわかって良かった」と参考にしていた。
広瀬副村長は「どうしても受け付けと接種済証発行ののところは滞留しがちになると思うので、その体制を見直さなければならないし、あっちへ言ってくださいではなく、一人ひとり座る場所までの案内も用意しなければならない」と話した。
県福祉保健課の神田健史参与は、「今回の経験を踏まえてマニュアルなどを少し手を加えたい」とし、「アナフィラキシー対応は机上ではできるが、どれくらい広さが必要か、どんなばたつきがあるのかは、今までどこでもやっていなかったことなので、実際にやって、かなりばたつくというのが実感で時間もそれなりにかかったが、医学的に許容できる範囲だったと思う」と話した。