新潟県加茂市・新潟経営大学体操競技部と米国ニューヨーク州・陸軍士官学校(United States Military Academy)による体操のオンライン交流戦が、日本時間の18日午前9時から正午まで両国を結んで行われる。大学体操競技のオンラインによる海外交流戦は日本では初めて。
全米大学体育協会(NCAA)は、全米各地の大学を対象にさまざまなスポーツ大会を開き、成績をポイント制にして大学対抗で合計ポイントを競っている。新型コロナウイルス感染が拡大するなか、会場に選手を集めた大会の開催が困難なため、可能な競技では米国の大会映像配信プラットホーム「Virtius」を使ってオンライン大会を開催している。
今回、新潟経営大体操競技部はゲストとして陸軍士官学校とオンライン交流戦を行うことになった。新潟経営大体操競技部は部員27人。加茂市体操トレーニングセンターを会場に、ゆか、あん馬、つり輪、跳馬、平行棒、鉄棒の男子6種目を各種目5人ずつが演技し、計30演技の合計得点で競う。審査は米国側で米国の審判が行う。
新潟経営大学体操競技部は、2000年シドニー五輪男子体操の日本代表だった斉藤良宏さん(44)を監督に迎えて創部してからことしで13年目。2015年から斉藤監督に代わって森赳人さん(36)が監督を務めている。
森監督は大阪府出身で、男子体操五輪代表だった池谷幸雄さんや西川大輔さんを輩出した大阪清風高校から日本体育大学、コナミスポーツ体操競技部で体操を指導し、英国にコーチング留学したのちに新潟経営大学体操競技部の監督に就いた。
森監督は、Virtiusの創業者でオーナーの元体操選手の英国人と知り合いなのが縁で、オンライン交流戦に新潟経営大学がゲスト参加しないかと誘われて実現することになった。
新潟経営大学は今年度、「新潟から世界へ」をサブタイトルに「ドリームプロジェクト」を立ち上げた。新潟経営大学から日本代表選手を育てるのが大きな目標。地域から応援するチームづくりや地域活性化につなげていく取り組みの一環で、北陸地方の大学体操部では初めてのユニホームのスポンサーロゴの募集する計画も進めている。
「ドリームプロジェクトの第1回目として何としても成功させ、応援してほしい」と森監督。「支援者を募り、目標を明確にして応援してもらい、それにパフォーマンスでお返ししたり、感動を共有したりして部活動に新たな価値を生み出したい」と今回の海外交流戦をステップにしたい考えだ。
また、現在は全日本インカレの2部リーグだが、2016年に一度だけあった1部リーグ昇格を再び実現することを直近の目標に掲げている。
コロナ禍で昨年は大会出場機会が1回しかなく、「そのなかでオンラインで競技ができるのはありがたい。応援されてなんぼで、競技力アップにつながり、ドリームプロジェクトにあるように関係人口を増やし、地域活性化にもなれば」と森監督は広く観戦を呼びかけている。交流戦はVirtiusへアクセスし、Googleアカウントなどでログインすれば誰でも観戦できる。