新潟県燕市は16日、新型コロナウイルスワクチン接種について3師会合同説明会を開き、燕市医師会、燕歯科医師会、燕薬剤師会の3師会の会員ら約60人にワクチン接種実施計画を説明した。
燕市では、国の方針に基づいて16歳以上の市民約6万7,000人を対象に4月中をめどにワクチン接種を始める。実施に先駆けて燕市医師会の全面的な協力で、かかりつけ医など身近な医療機関で行う個別接種をメーンに、公共施設などの特設会場での集団接種、高齢者施設などでの施設接種の3つの手法でワクチン接種実施の計画を策定した。その計画を周知し、現場からの意見や疑問を聞こうと説明会を開いた。
冒頭で燕市医師会の幸田豊会長は、ワクチン接種は「前代未聞とも表現されますように大変大きなプロジェクト」で、燕市医師会は数カ月前からずっと燕市と協議を続け、「そのなかで集団接種のみでは、医療スタッフの確保が困難とわかり、個別接種を組み合わせる、いわゆる練馬区方式を採用することになった」と説明した。
より柔軟な形で当たりたいというのがねらい。燕市には52の医療機関に対する事前の意向調査では、集団接種には39人、75%の医師が当たりり、個別接種には29医療機関、56%が参加できるという回答を受け、「この数値は会員の意識の高さを感じられる」と感謝した。
ワクチンの入荷や発送は不透明で、細かな日程は直前になるまでわからないと予想される一方、変異株による第4波が危惧され、「この予防接種を効果たらしめるには時間との戦いになることも忘れてはならない」。
日常診療にできるだけ影響なく迅速に、そして住民の利便性を考えると土、日曜のワクチン接種も必要になり、「百年に一度とも言われるこの重大な健康危機、そして社会全体で子、孫の時代の生存危機でもあると思う」と危機感を示し、「このプロジェクトは、それに対して新たな局面を提供できる極めて自由なものと考えている。われわれができる地域貢献としても、これ以上のものは今後しばらくないと思う。おそらくこの先何年にもたっても忘れることはないと思う。それほど特別な意味を理解いただき、一致団結してことに当たりたいと考えている」と協力を求めた。
鈴木力市長は、先に燕市の保育園などでクラスターが発生し、「コロナ禍にあって市民は日々、心配な思いで生活している」と案じる。「この状況を最終的に収束させるにはワクチン接種をしっかりやり、地域での集団免疫を獲得せざるを得ないと思う」。意向調査では集団接種と個別接種を合わせるとほとんどの医師が派遣を含めて協力してくれることに「燕市医師会の皆さんの高い使命感、倫理観」に感謝した。
歯科医師、薬剤師会もできることなら何でもやるという話を受けていることも心強く、「未曽有の危機をいかに乗り越えるかはワクチン接種にかかっている」とし、「一緒になって取り組んでいきましょう」と述べた。