新型コロナウイルスの影響で延期されていた一般社団法人弥彦観光協会会長、弥彦神社氏子総代の現職で昨年3月27日に81歳で死去した神田睦雄さんを偲(しの)ぶ会が23日、弥彦村の「ヤホール」で開かれ、午前だけでも百人を超す弔問があった。
小林豊彦村長を実行委員長に実行委員会を組織して主催。長男の神田雅仁さん(54)=お宿だいろく取締役=や小林村長、渡部吉信弥彦神社宮司が弔問客を迎え、会場に祭壇を設置して用意した白いカーネーションの花を献花台に手向けてもらった。
会場では生前の神田睦雄さんが写る写真や愛用した弥彦神社氏子会や祭りのはっぴを展示し、関係者からのあいさつを録画したビデオをリピート上映し、在りし日をしのんだ。
そのなかに神田睦雄さんの俳句、2016年以降につくった作品44枚も展示した。20年以上も前から毎月1枚、ちらしの裏に自分でつくった俳句に俳画を描き、家業の旅館のエレベーターの中に張ることを楽しみにしていた。達筆でカラー筆ペンを使って描く俳画も玄人はだしだ。
昨年の4月用にと3月中につくった「卯月の句」がいわば絶筆。「尼寺は花の道なる石畳」と詠み、桜まつり用の旅館のちょうちん、地元の清酒「越の白雪」とある徳利、すし、サクラの花びらなどを描いている。
通夜には550人近い弔問客を迎えた。死去から4カ月後の昨年7月31日に偲ぶ会が計画されたが、新型コロナウイルス感染者の急増で延期。間もなく1周忌を迎える前にと、このタイミングで実施した。
遺族は偲ぶ会の2日後の25日に一周忌の法事を行う。神田雅仁さんは「亡くなって1年にもなるのに偲ぶ会を開いてもらって申し訳ない。観光協会も氏子総代も現職だったので多大な迷惑をかけたが、外では皆さんによくしていただいた」と恐縮、感謝した。
小林村長は「感染拡大でなかなかできなかったが、1周忌を前に何とかやろうと踏み切ってよかった」と関係者や弔問客に感謝していた。