新潟県三条市・八幡宮(藤崎重康宮司)の春季大祭に合わせた「三条祭り」を運営する祭典委員会(吉井直樹委員長)が24日、八幡宮で開かれ、ことしは大名行列は規模を縮小、舞い込みは中止、露店は県内に限るなど新型コロナウイルス感染防止対策を徹底して開催することを決めた。
昨年は神事だけ行い、それ以外の大名行列、舞込、露店出店はすべて中止しており、三条祭の呼び物の大名行列は2年ぶりに復活することになった。ただし最終判断は5月2日に開く祭典委員会で決定し、感染拡大状況によってはその時点で中止を決める可能性もある。
15日の大名行列は神輿渡御に原点回帰し、参加人数を例年の3分の1ていどに縮小。1基かつぐのに20人は必要なみこしは、担ぎ手を十分に確保できないと予想されるため、台車に載せて運ぶことにした。台車に載せれば6人で動かせる。みこし2基と太鼓も含め計3台の台車を製作する。
大名行列は田島諏訪神社まで進むのが恒例だが、その約300メートル手前の一ノ門交差点で終わる。
大名行列の編成のなかでも笛が飛沫(ひまつ)を拡散する恐れがあり、感染防止対策を検討していくが、あらかじめ録音した演奏を流しながらそれにあわせて笛を吹く、また太鼓のばちは使い回しせずいわば「マイばち」を使うといったアイデアもある。
参拝者が子どもを肩車して境内の拝殿の周囲を回る舞い込みは中止。みこしの宮入りは行うが、陣立てなどもこれから決める。
露店は県内の露店商に限ることにし、出店数は例年の2/3から1/2に減る見込み。来場者には熱があったり体調がすぐれないときは来場を控え、マスクを着用し、露店商が提供する飲食は原則として持ち帰って会場内で食べ歩かない、互いに密を避け、関係者からの密の回避の声かけになどに理解、協力を求めた。
藤崎宮司は「2年連続の大名行列中止は何としても回避したかった。こういった状況で開催でいれば明るい方向に向かっていけると思う」、祭典委員長の会社役員吉井直樹さん(56)は「何とかやって欲しいという希望の声が多かった。どんな形であれ開催できるように各セクションを含めて努力してきた」、「感染対策を含めて参加してほしい」と話した。