農水省の「日本棚田百選」に選定されてる新潟県三条市の下田郷にある「北五百川(きたいもがわ)の棚田」に群生するカタクリの花が見ごろを迎え、週末の10、11日は切れ目なく見学や撮影に訪れる人があった。
40年以上前に棚田の一角の雑木林を伐採すると、それまで茂っていたササなどに代わってカタクリが育ち始めた。今は4本のサクラの木の下にカタクリが群生する。
残雪の粟ヶ岳とサクラの薄紅色の花を背景に咲くカタクリの赤紫の花を納めた写真が三条市のPRポスターに使われて以来、写真愛好家の被写体としても人気を集めている。
ことしの花はやや早く、6日に開花して今が見ごろ。平野部のサクラは花の盛りを過ぎているが、ここのサクラは今まさに満開。11日は青空の下、鳥の声や風でこすれる葉の音しか耳に届かない春の棚田で、カタクリの花と競うように咲いていた。