新潟県三条市は、5月26日から行う65歳以上の新型コロナウイルスワクチンの集団接種の予約受付を6日午前9時にインターネット、自動音声ガイダンス、コールセンターの3つの方法でいっせいにスタートする予定だったが、このうち24時間受付で計画した自動音声ガイダンスは障害の発生により受付時間を午後5時から翌朝午前9時までに制限する。
5日午後1時から滝沢亮市長が記者会見して障害について話した。正確には、自動音声ガイダンスの予約受付時間をコールセンターの開設時間以外とするもの。コールセンターは平日の午前9時から午後5時まで開設し、今週と来週に限っては土、日曜も同じ時間帯で開設する。その間は自動音声ガイダンスは受け付けないことにした。
4日午後7時ごろに予約管理システムの導入業者から三条市に、自動音声ガイダンスへの電話が集中して、電話がつながらなかったり、自動音声ガイダンスが突然、終了したりするという集中したりといった障害が起きると、断定形で連絡があった。
ただし、自動音声ガイダンスの利用時間を制限したところで障害が発生する可能性はあり、滝沢市長は「場合によっては自動音声ガイダンスをいったん停止することも今後はありうる」とした。
予約管理システムの直接の契約先は近畿日本ツーリスト関東新潟支店(新潟市中央区)で、同社から株式会社サイシード(東京都新宿区)に業務を委託している。
この予約管理システムは3月1日現在で全国109の自治体、総利用人口1512万人で採用されており、そのなかで先に自動音声ガイダンスの予約受け付けを開始した自治体で障害が発生した。
自動音声ガイダンスにはIP電話システムを利用しているが、事業者によるとすでにIP電話システムの同時接続上限に達しており、現在のところ改善、キャパシティを増やす見込みは立っていないという。
自動音声ガイダンスの予約受付の時間を制限したところで自動音声ガイダンス自体の障害発生の可能性が変わるわけではなく、逆に時間を制限することでさらに電話が集中することも考えられる。
インターネット、自動音声ガイダンス、コールセンターと予約方法は違っても、同じ予約管理システムを使っていて、入力方法が違うだけ。自動音声ガイダンスが突然、終了することで予約の入力ステップが途中で中断してしまったり、ほかの方法での予約が埋まってしまって途中で先に進めなくなり最初に戻ってしまうといった不具合が出るおそれがある。
市ではこの日、集団接種対象者にインターネットでの予約を勧める新聞折り込み広告を出したばかり。滝沢市長は自動音声ガイダンスの受け付け時間の制限についても「その日に出してこれはお恥ずかしいことではあるが、新聞折り込み広告でもお伝えする予定」と話した。
また、市ではインターネットでの予約を勧めるとともに、市内公民館やサービスセンターなど10カ所で予約代行を行い、クーポン券を持参すれば本人に代わってインターネット予約する。