大型連休明けの6日、新潟県三条市で65歳以上を対象とした新型コロナウイルスワクチン集団接種の予約受付が始まった。インターネット予約だけでもスタートから1時間で約6500人の予約を受け付け、想定する接種希望者の4分の1に達した。
三条市では26日から65歳以上の約3万2000人を対象としたワクチンの集団接種を行う。対象者の8割、2万5000人前後が8月末までに接種を受けると見ている。接種希望者分のワクチを確保するので予約を急ぐ必要はないが、スタートと同時に予約が殺到した。
予約方法はインターネット、自動音声ガイダンス、コールセンターの3つに加えて、市内各公民館とサービスセンター、大崎会館でインターネット予約の代行を行っている。初日は午前9時からいっせいに予約受け付けを開始する予定だったが、自動音声ガイダンスによる予約は電話の集中によるシステム障害で、コールセンターを開設している平日午前9時から午後午後5時までは受け付けず、午後5時の開始となる。
三条市総合福祉センターに設置したコールセンターには15本の電話回線を引き、予約電話をオペレーターの派遣社員がインターネットで入力する。いわばこれも予約代行のようなもの。受付開始直前は「始める前に大きな声を出したい」、「テンパる」、「もうだめ」といった声が聞こえ、ぴりぴりしたようす。午前9時になるといっせいに電話が鳴った。
予約が終わって電話を切ってもすぐにまた電話が鳴り、息をつく間もないほどの忙しさ。先に自治会長などを対象に行ったワクチン接種で行ったコールセンターによる電話予約では、オペレーター1人が1時間に約10件の申し込みを受け付けたことから、コールセンターによる1日の受け付けは約1200件と見込んでいる。
一方、インターネット予約の代行を行っている会場にも朝から予約を希望する人が訪れ、行列ができた。三条市中央公民館では午前9時のスタート時点で30人ほどが行列がつくった。
接種券番号や生年月日などのデータを「ワクチン接種予約整理券・予約確認票」に転記してもらって受け付け、事務室の5台のパソコンを使って職員がマンツーマンでオペレーターとなって入力を代行している。最初の1人はわずか2分でスムーズに入力を完了。スタートから30分で35人ほどの予約作業を行った。
市内の61歳の男性は、87歳の母に代わって予約に訪れた。インターネットにつながったパソコン環境がなく、とりあえずコールセンターに電話予約し、電話がつながらないようなら予約代行に行こうと考えていた。午前9時からコールセンターに電話したが案の定つながらず、すぐに予約代行に出向いた。
男性は「速くてこんな簡単に予約できるんだと思った。公民館の職員がてきぱきとやってくれた」と、予想以上に簡単にすんだことを喜んでいた。
中央公民館以外の東公民館や嵐南公民館などでも同じような行列ができた。インターネット予約の受け付け状況からすると、6日だけで接種希望者の大半が予約を完了しそうだ。