新潟経営大学(新潟県加茂市)体操競技部の4年早坂晶宗さん(21)は、6月5、6の2日間、群馬県高崎市の高崎アリーナで開かれた第75回全日本体操種目別選手権の跳馬種目で4位となった。東京五輪と北九州世界選手権の最終選考会を兼ねたこの大会で、新潟経営大学の生徒が予選を通過したのは初めての快挙だ。
跳馬種目の男子の予選には19人が出場し、早坂さんは6位で予選通過し、決勝で4位になった。予選、決勝とも2度、演技を行い、早坂さんは1本目に「ヨー2」(前転跳び1/2ひねり後方伸身宙返り2回ひねり)、2本目に「ドリックス」(ツカハラ2回半ひねり)を行った。
成績は決定点が予選14.516、決勝14.433。決勝の3位は早坂さんの予選の決定点と同じ14.516だったので、3位になれなかったのは残念だ。
早坂さんは5月に開かれた日本体操界最高峰の第60回NHK杯体操にも出場し、跳馬で4位入賞したばかり。NHK杯出場も新潟経営大で初めての快挙を成し遂げた。
早坂さんは山形県東根市出身。子どものころから体を動かすのが好きで、小学校3年生のときに母の勧めで近所の体操クラブに通い始めた。山形市立商業高校体操部でインターハイや国体を経験。卒業後、新潟経営大学体操部の部長に誘われて進学、入部した。
大学入学当初は跳馬は苦手種目で、ひねることもできなかった。2年生で東海北信越地区の大会で床でいちばんになったことあるが、大学でいちばん成長したのが跳馬だった。
そもそも大学進学の決め手になったのが、全日本選手権出場の目標で今回、その夢をかなえた。なにしろ全国大会出場は今シーズンが初めてだったので「自分が全国でどれくらいのレベルにあるのか、わからなかった。NHK杯も行けると思わなかった」と早坂さんは話す。
今回の4位の結果には「あと一歩という悔しい気持ちはあるが、それより力を出し切れたことの方が大きく、着地を狙いすぎたかもしれないけど、いつも通りにできた」と納得している。
9月に大学日本一を決めるインカレが開かれる。現在、新潟経営大学は2部リーグに所属するが、2016年に一度だけ1部リーグに昇格している。優勝すれば再び1部リーグに昇格できる。「1部昇格が目標。次は全員で頑張っていこうと思う」と力を込めた。
また、「ことしは五輪イヤーで注目される大会のなかで2本とも決めることができたのは自信につながった。就職の内定ももらっているが、社会人でも続けようか迷っている」と東京五輪の次の五輪への夢も膨らみ始めている。