ほぼ半世紀前の1973年に福島県側で着工してから完成まで「あと10年」と言われ続け、逃げ水のようにたどり着けなかった「八十里越(はちじゅうりごえ)」の開通。国道289号は新潟市を起点、福島県いわき市を終点とする302km。そのうち新潟県三条市と福島県只見町の険しい県境を結ぶ国道289号の通行不能区間19.1kmが八十里越だ。
先に国土交通省北陸地方が国の施工区間11.8kmは、2025年度に開通する見通しを示した。福島県の施工区間はそれよりも遅れそうだが、全通はもう逃げ水ではなくなった。
八十里越の開削に尽力した西潟為蔵(にしかた ためぞう)(1845-1924)の顕彰碑の解説板を三条市が設置した。顕彰碑は西潟為蔵が生まれた三条市福岡地内に建つ。13日、その除幕式が行われたが、あいさつでは八十里越に対する期待感が
が設置され、その除幕式が13日に現地で行われた。滝沢亮三条市長は八十里越開通に向けて「この年に解説板が除幕されたのは本当にいいタイミング」と言えば、渡部勇夫只見町長はビデオメッセージで「5年以内の開通という発表は誠にありがたい」と喜んだ。
除幕式の取材を終わり、さらに下田の奥へ車を走らせていると、ナビに表示された文字に驚いた。走行している道路、国道289号が「八十里越」と表記されている。旧荒沢小学校の少し先だ。
ナビ画面はCarPlayという機能での表示している「Google マップ」のもの。荒沢付近はいわゆる八十里越の区間ではないと思うが、いずれにしろナビ画面で「八十里越」の表示を初めて見て驚いた。偶然のタイミングとはいえ、八十里越開通が手の届くところまでぐっと近づいていることを実感した。