新潟県三条市の美術振興をと1991年に発足してから30年の節目を迎えた三条美術協会(鶴巻純子理事長・会員90人)は19日から21日までの3日間、三条市体育文化会館で創立30周年記念三条美術協会展を開いている。
三条市やその周辺に美術愛好者や作家が会員。会員1人1点の日本画、洋画、彫刻、工芸、書道、写真の6部門に89点を展示。初日19日は午前9時から開場式を行い、テープカットして華やかに幕を開けた。三条の美術界の粋を一堂に集めて広く鑑賞してもらっている。
三条美術協会展は毎年恒例だが、昨年は新型コロナウイルスの感染防止のため中止、2年ぶりの開催で、三条市体育文化会館を会場するのは初めて。これまで三条東公民館を会場にしてきたが、それ以前は旧三条市体育文化センターで開いた。今回はその跡地に建設されたのが三条市体育文化会館に会場を戻した。
三条美術協会の初代理事長に就いたのは、鶴巻理事長の父、紙塑人形作家の鶴巻三郎さん(1908−2005)。そのかたわらで三条美術協会を見詰めてきた鶴巻理事長は「設立総会の燃え上がった熱気はずっと忘れない」と振り返る。
会員328人で設立してからこの30年で、会員は3分の1以下に減った。美術愛好者の減少は三条に限ったことではない。鶴巻理事長は「そう急に変わることはないと思うが、まずは淡々と継続して三条市の美術館のようなものができるのが理想。現実には難しいけど」と、まだ夢は捨てていない。
9月には30周年記念誌を発行する。三条美術協会展は19、20日は午前9時から午後6時まで、21日は午後5時まで開場。入場無料。