岡山県のスイミンググループ「岡山酔魚(おかやますいぎょ)」が23日未明に佐渡市赤泊を泳いで出発し、メンバー9人がリレーをつないで長岡市寺泊まで42kmを目標タイム15時間でゴールを目指す越佐海峡横断にチャレンジする。
メンバーはひとりは仕事で今は県外だが基本的に岡山県に住む30代から70代までの男性6人、女性3人。自然の海や湖を泳ぐレース「オープンウォータースイム」の愛好者だ。
22日夕方に「寺泊 きんぱちの湯」に集合。オーシャンスイムをサポートする団体「オーシャンナビ」にサポートを依頼し、地元の船を借りて午後10時に寺泊からメンバー全員が船に乗り込んで出発。赤泊に到着して午前2時にスタートする。
1人が10分間を目安に泳いでリレーし、目標タイムは15時間で、午後3時から5時ごろに寺泊への到着を目指す。「オーシャンナビ」は年数回の越佐海峡横断をサポートしている。
リーダーは岡山市に住む北山峻さん(75)だ。水泳を始めたのは60歳のとき。たばこをやめたら太り始めたためジムに通うになったのが始まりで、いつも熱心に泳いでいる12歳上の人が水泳のマスターズの大会で国内5位になったと聞き、自分もこれから頑張れば同じようになれると思った。
しかしタイムレースは性分に合わず、楽しくゆったり泳ぐオープンウォータースイムに魅了された。数年前にグアム島とココス島の間の約4キロを泳いだのに始まり、オーストラリでロートネス海峡、国内で津軽海峡を泳いだ。
次はハワイのモロカイ海峡横断をねらっていたが、新型コロナウイルス感染拡大で海外渡航ができないこともあり、代替案として越佐海峡横断を計画。仲間に声をかけてメンバーを集め、「岡山酔魚」を結成した。
北山さんの仕事は建築設計。「この世界では隈研吾に勝てないから泳ぎで勝とうと」と笑う。「海峡横断の達成感は半端ない。いくら金があってもできないこと」で、自分より若いメンバーに対し、「海峡横断の楽しさを彼らに感じてもらいたい、教えてあげようという思いが強い」。来年ころモロカイ海峡横断を実現させようと取り組んでいる。