東京パラリンピックでパラアーチェリーに出場するモンゴルの選手団は、ホストタウンの新潟県燕市での事前合宿を中止したことがわかった。
鈴木力市長が29日の定例記者会見で質問に答えて明らかにした。正式な通知はまだないが、モンゴルのパラアーチェリー協会の会長が通訳を通じて口頭で燕市での事前合宿をとりやめて直接、パラリンピックの選手村に入ると連絡があった。
燕市はホストタウンという形での交流事業は行われない見込み。事前合宿の中止についてモンゴル側は、モンゴル国内で感染者が急激に増え、燕市民への感染リスクなどを考慮して判断したという。
コロナ禍での事前合宿には行動制限も伴い、鈴木市長は「選手もコンディションづくりを考えるとわれわれとしてもそれ(中止)がよろしいのではないか。妥当な判断の連絡と思う。おもう」と評価した。
燕市とモンゴルのパラアーチェリー協会は新潟県内でもトップを切って2016年4月にパラリンピック事前合宿の覚書を締結。選手団はリオパラリンピックや世界選手権出場に向けて16年、18年、19年とこれまでに3度、燕市で事前合宿を行い、燕市民と交流。「これまで十分に交流を重ねてきたので、事前合宿がなくなっても友好関係が揺るぐことはない。むしろこういう状況なら万全の体調で本番に臨んでいただき、メダル獲得を目指して頑張ってもらいたい」と成果を上げることを期待した。
また、毎年行っている田んぼアートでは、ことしは五輪をもじったデザインでおもてなしを発信している。それをインターネットを通じてモンゴルの選手に見てもらったり、選手村で使われる燕市で製造されたカトラリーを使って食事をしてもらうことで、「燕市はしっかりわれわれを応援してくれているという気持ちをもって大会に臨んでいただけばなと。燕市は今回、直前の交流はできないけど、しっかり市民挙げて応援している気持ちが伝わればいい」と鈴木市長は願った。