1年のちょうど半分が終わる6月30日は、半年分の罪やけがれをはらう「夏越(なごし)の大はらえ」。茅萱(チガヤ)で作る「茅の輪(ちのわ)」をくぐると無病息災や厄除けになるとされ、新潟県燕市宮町の戸隠神社(星野和彦宮司)では29、30の2日間、神事を行っている。
30日に神事を行う神社が多いが、戸隠神社は大勢の人が参拝しやすいようにと毎年、前日と合わせて2日間、行っている。ことしも27日に境内の鳥居の下に茅の輪を設置。茅の輪を左回り、右回り、左回りの順に「∞」を描くように3度、回ってけがれをはらう。
神事は2日間とも午後8時から。29日は40人ほどが神事に合わせて参拝に訪れた。本来なら神職を先頭に居合わせた参拝者全員で行列をつくって鳥居に設置した茅の輪をくぐってから神事を行うところだが、昨年に続いて新型コロナウイルスの感染防止のため、行列はせずにおのおので茅の輪くぐりをしてもらってから神事を行った。参拝者には、紙垂(しで)を下げたチガヤと菓子を配布した。
神事のあと星野宮司があいさつした。ワクチン接種が進んで地元では感染拡大が収束しつつあり、明るい兆しが見えているが、まだ安心はできないと気を引き締めた。伊勢神宮も奈良の大仏も疫病を治めたいと作られたことを話し、大はらえによって、身も心も生まれ変わる。
「皆さまのためにはらい言葉を奏上した。心新たな気持ちでことし後半戦を乗り切っていただきたい」、「どうか明るい希望をもって今から新たなる一歩を踏み出していただきたい」と願った。