新潟県による新型コロナワクチン接種の大規模接種センターの県央会場が3日、三条市・燕三条地場産業振興センターに開設された。先に新潟市・朱鷺メッセに開設された新潟会場に続き、3日はユートピアくびき希望館でも上越会場が設置され、これで県内の大規模接種センターは3会場となった。
県央会場は県央地域5市町村が対象。先行実施としてスタートしたもので、三条市と協力して土、日曜の3日、4日の2日間で1日1,500人、2日間で3,000人にモデルナ社のワクチンの1回目を接種する。2回目の接種は7月31日、8月1日の2日間で行う。
対象は三条市内の保育所、保育園、幼稚園、認定こども園、児童クラブ、小学校、中学校、義務教育学校の職員とその家族、三条市立大学の職員と学生、タクシー乗務員、市内金融機関などの職員、65歳以上の市民など。
県は5月から燕三条地場産業振興センターを大規模接種センターの会場にしようとおさえていた。燕三条地場産業振興センターとしてもコロナ禍で最大の収入源である見本市会場などに使われる多目的ホールの利用が皆無に近い状態が続いているだけに渡りに船ともなった。
多目的ホールには誤って2回、接種することのないよう、一筆書きで順路を設定。5人の医師が予診に当たり、接種は5レーンを設けた。
待ち時間が多くなることもなく、順調に進行していたいが、接種後に体調を崩して救護所に運ばれる女性もいたが、まもなく回復して帰宅した。接種を終わった人は「思ったよりすんなり接種できた」などと話していた。また職域接種を検討している人の見学もあった。
松本晴樹福祉保健部長はインタービューに答えた。県央会場の設営は内々で三条市と相談し、6月に入って職域接種の話が出て、急いで大規模接種センターを立ちあげることで、ワクチン確保が確実にできると考えたと話した。
「逆に言うと、遅くなってしまうとできなくなってしまう。それが今みたいな状況になることを予測して、三条市と急いで立ち上げることになった。6月になってから急スピードで立ち上げて、なんとか滑り込みでワクチンをいただけだ。この会場にモデルナ社のワクチンが来るかどうかはかなりぎりぎりだっが、三条市の迅速な準備のおかげでモデルナを得ることができた」と述べた。
8月に入ったら本格実施になり、県央5市町村では「弥彦村が非常に進んでいるが、それ以外の4市町村に関しては皆さんに枠が供給できると考える」。先行接種で三条市が教職員などを対象としたことについては「学校でのクラスター防止は医学的にも大きな意味がある。そこを重視した形で優先順位を選んでいただいたものと思う」。
接種枠が空きが出始めている状況については「さまざまな工夫をしながら県民に届くようにしたい。チャンスが来たらぜひ早めに予約をいただきたい」とし、ワクチンに関する誤った情報が流れていることについては「ワクチンで死亡が起こるというデータは全世界にないので、安心して打ってほしい」と求めた。