ふるさと納税の寄付額を増やそうと新潟県三条市は9日、転職サイト「ビズリーチ」活用してデジタルマーケティングの知見を持ち、三条市のふるさと納税制度を一から考え、実践できるマーケティング特任専門員の全国公募を始めた。
募集は1人で週5日、三条市役所に勤務し、給与は期末手当と通勤費は別で月額71万円。デジタルマーケティングやウェブサービスの知識や経験がある、マーケティングの戦略や戦術を立案した経験がある、地元企業と柔軟なコミュニケーションができる人などを求める。
業務内容は、ふるさと納税推進に関する統括や効果的な組織づくり、ふるさと納税の寄附額増加や市のブランド価値向上のための企画立案、デジタルマーケティングを起点とした三条市のふるさと納税制度の在り方の変革・組織の構築。
昨年度の三条市のふるさと納税の実績は、2万4953件の合わせて7億2261万4千円。となりの燕市は全国でも10位に入るとほどの実績の人気自治体で、昨年度の実績は約50億円と大きく水をあけられている。
国定勇人前市長は、ふるさと納税制度には強く反対の考えをしながらも、制度がある以上は活用すると明言していたが、今回のマーケティング特任専門員の採用により、一段と強くアクセルを踏み込むことになる。応募は広告代理店や企業のマーケティング部門での勤務経験のある人などが想定される。
また、マーケティング特任専門員の採用は、書類と面接で選考するが、9日に行われた三条市と市内に本社を置くスノーピークによる地域活性化に向けた包括連携協定の締結式でも、今後の連携事業のひとつとして、スノーピーク商品の活用によるふるさと納税の新たな寄付者の獲得をあげている。出席した滝沢亮三条市長は、マーケティング特任専門員の最終選考の面接官の1人のスノーピークの山井梨沙社長に依頼したことを明らかにした。
三条市のふるさと納税の返礼品のうちスノーピークの返礼品は、おとな2人と子ども3人が本社Headquartersキャンプフィールで1泊できるキャンプ体験「手ぶらキャンプ体験コース」のクーポン券(11万8000円)だけだが、今後はスノーピーク製品の返礼品のラインナップを増やして増額を図る。
包括連携協定の締結式で山井梨沙社長は、今後への期待についての質問に、ふるさと納税については「われわれの製造している燕三条地域で作られたプロダクトを中心に、ふるさと納税をした人に高品質なものを届け、しっかりと三条市の収益としてわれわれも貢献していきたい」と三条市には頼もしい思いを話した。