予約率が低い若い世代からもっと積極的に新型コロナウイルスワクチンを接種してもらおうと新潟県三条市の滝沢亮市長は27日、早朝に街頭でつじ立ちして接種を呼びかけるという奇手に打って出た。
国道289号の「荒町二丁目交差点」。午前7時半から8時15分まで滝沢市長と4人の市職員は、派手なオレンジ色のビブスを着けてパチコン店「N-1」向かいの交差点角に立った。
「ワクチン接種はお早めに!!」、「8/7.8地場産センター」とある大きな看板を掲げた。朝の通勤ラッシュでは三条市内でも屈指の交通量の多い場所。ドライバーに向かって「おはようございます!」とひたすら頭を下げた。
連日、朝からかんかん照りだったが、台風8号接近の影響か曇り空。直射日光から守ってくれて体感温度はぐっと低くなった。交差点を通過する車のドライバーはほぼ百パーセント、ワクチン接種のつじ立ちに気づき、何ごとかと視線を向けていた。
ワクチン接種を呼びかけるつじ立ちは、4日間連続して行う。このあとも28日に興野交差点の「当たり屋」前、29日は四日町交差点の原信四日町店駐車場前、30日は清流大橋付近の高岡地内側で早朝のつじ立ち行う。
三条市ではこの2週間前に市内の40歳から59歳を対象にワクチン接種券を発送。19日からその予約を受け付けているが、予約申し込みの出足は鈍い。65歳以上の予約率は80%以上だったのに、50%ていどにとどまっている。
40歳から59歳の最初の接種会場となる8月7日と8日に燕三条地場産業振興センターで行われる大規模接種は、1日3,000人の枠があるのに7日は1,500人、8日は500人ほどの予約しか入っていない。
さらに8月28日、29日にも大規模接種があるが、さらに予約が少なくなると思われる。滝沢市長は「これでは三条市ではワクチン接種の需要がないと思われてしまう。ワクチン接種はこれからもずっと続く可能性があるが、三条市への供給量にも影響が出かねない」と危機感がある。
また今後16歳から39歳のワクチン接種も行われるが、その前にその親世代からひとりでも多くワクチン接種をしてほしいという願いもある。
政治家のつじ立ちのような手法をとったことについては、「SNSやメールでの効果は限定的。今回の対象は働いている人が多いので、通勤時間帯にやることで多くの人に知ってもらえると思った」とねらいがあり、「きょう、あすの夕方の予約の数字を見てからだが、効果があると思っている」と期待する。
「三条市は十分なワクチンの量を確保している。第5波に備えて感染症予防のために1人でも多くの方人に接種を受けてもらいたい」と市民に呼びかけている。
また、27日は夕方、市職員が市内スーパー4カ所でワクチン接種を呼びかけるちらしを配布する。配布場所はイオン三条店、原信四日町店、ウオロク東新保店、リオンドール大崎店。