卸商社を中心に新潟県燕三条地域の目利きが集めた商品を提案する「燕三条トレードショウ」。2017年から毎年開かれ、昨年は新型コロナウイルス感染防止のため中止したが、ことしはコロナ禍でも「産業界が口火を切って元気を出して全国に発信したい」と、リアルとオンラインのハイブリッド開催を企画し、リアルは9月16日、17日の2日間、オンラインはそれに先駆けて8月4日にスタートして9月15日まで開かれる。
リアルの会場は例年通り燕三条地場産業振興センター。燕、三条の両商工会議所で組織する実行委員会が主催し、82社が112.5小間に出展する。2年前の前回は163社の125小間で、企業数は半減するものの、小間数は前回並みを確保した。
受注金額は前回の3,000万円を超えるのが目標。前回は4,350人が来場しているが、ことしは新しい形なので来場者数は見当がつかない。ただ、前回までは自社製品がどのように展示されているかを勉強してもらうなど従業員の来場も呼びかけたが、ことしは3密防止でバイヤーだけに限り、感染防止対策で事前予約制にした。
前回は包丁を特集したが、今回はアウトドア関連アイテムを特集し、集客の目玉にする。巣ごもり需要で家庭でも使えるアウトドアグッズは活況だ。展示会後はジェトロ新潟の協力で世界からバイヤーを紹介してもらう。
オンラインは、ホームページを開設した。一般の見本市のオンラインで良く見られるライブチャットやテレビ電話の機能は省き、逆に使い慣れたメールや電話で問い合わせてもらう。いきなり会社へ連絡するのはためらうという人は、事務局へ問い合わせてもらう。
4日行った記者会見で実行委員長の燕商工会所・田野隆夫会頭は、コロナ禍で商工会議所の活動のほとんどが中止、延期されているが、ワクチン接種も始まり、「せめて産業界が口火を切って、元気のいい、無策の何もしないより工夫をし、知恵をしぼり、産業界が元気を出して全国に発信したいという強い気持ち」と開催を決断した思いを話した。
展示会をやることで若いバイヤーが仕入れ先を訪問しやすくなり、「サンプルを現実に見てもらうと、展示会場に受注する数倍の効果がある」、「非常に大きな波及効果がある」ときっぱり。「プロの商売人なら絶対に魅力のある展示会になる」と自信を示した。
「どこの企業でも実際にオンラインでビジネスをやってる」、「出張訪問の営業スタイルは誰もとれない」ハイブリッドによる相乗効果にも期待した。