新潟県加茂市の一般社団法人加茂青年会議所(増井雄一理事長・会員22人)は、10日開いた8月臨時総会で2022年度理事長予定者に監事の市川裕さん(39)=加茂市番田=の選任を決めた。
市川さんは設備工事業の株式会社ピュアライフの常務取締役。2012年入会で15年度に会員拡大情報発信委員会委員長、17年度に事務局長、18年度から20年度まで副理事長を務め、今年度は監事に就く。
臨時総会では増井理事長が市川さんの次年度理事長選任を提案。市川さんは所信表明を述べ、満場の拍手で承認された。
「これからも誠心誠意、まい進していく所存」とし、「事業をこなしながら一人ひとりが成長していく団体。皆さまの非常に素晴らしい人間力を借りて、この加茂、田上の地域に種を落としていきたい。課題はたくさんあるが、皆さまとともに歩んでまいりたいと思うので、どうぞお力添えを」と会員の協力を求めた。
また閉会後、市川さんは「子どもたちに向けたこの地域が好きになってくれるような事業を考えている」と話した。所信表明全文は次の通り。
市川裕さんの理事長立候補者としての所信表明
ふと思いついたときに、生まれ育ったこのまちを歩いてみれば、四季折々の美しい風景と、懐かしい思い出が、日々に追われ疲れた心を、いつも穏やかにしてくれます。そんなこのまちが、いつまでも続けばと、切に願うものであります。
(一社)加茂青年会幾所は、昭和40年に設立以来、常に時代を先駆けこの地域と共に運動してまいりました。その歴史は時代に即したまちづくり運動に始まり、まちの未来を担う青少年育成事業、さらには度重なる災害に対しての復興や支援など多岐にわたり、今日の青年会議所運動に大きな影響を与え道しるべとなっております。我々は先輩諸氏の思いを受け継ぎこの地に根差した存在として継続的に発展していかなければなりません。
今日、日本の社会状況を見ますと、止まらぬ少子高齢化と労働人口減少、好転を見ない経済成長やエネルギー事情、今なお脅威にさらされている安全保障問題等、行く末に不安を感じざるを得ません。IT革命やAI技術の発展による産業構造の変換は人々に物質的な豊かさをもたらしつつも、精神的なゆとりが薄れてしまっているように思われます。さらに世界的に猛威を振るったコロナ禍は経済縮小や産業構造を大きく変化させる要因となり、それらは我々の住み暮らすこの地域に対しても大きな影を落としてしまいました。
目まぐるしく変わる社会情勢における我々青年会識所の在り方とは、そして存在意義とは何でしょうか。時代は何を欲しているのでしょうか。それは困難が訪れるたびに幾度となく自問自答してきた我々JCが、その都度、英知と勇気と情熱をもって、一歩を踏み出さんとしてきた確固たる意志の力ではないでしょうか。希望をもたらす変革の起点として、困難であろうとも立ち向かわんとする思いの力ではないでしょうか。今を憂うだけに留まらず、明日のために種をまく。脈々と受け継がれてきた熱い思いは今もなお我々Jayceeの心に刻まれ内包しています。一人の思いでは決して強くはないかもしれないですが、切磋琢磨し、時には支え合いながら共に突き進むことができる。それが我々加茂青年会議所であると信じています。この地域の中にあって、周りに流されず、それでいて地域と調和し躍動する唯一無二の存在となるべく、共に歩んでまいりましょう。
私は加茂青年会議所に入会以来、先輩の皆様、現役の同志、そして経験させていただいた数々の青年会議所運動から、多くの学びと感動をいただきました。皆様からいただいたその一つひとつが今の私を形作り、今ここに立っております。深く感謝を申し上げ、ご恩に報いるためにも誠心誠意、邁進してまいります。私たちは、縁あって同じ時を共にする青年経済人ですが入会に至った経緯や心持ちは異なります。入会を決意したあの日あの時の決断を誇れるよう、共に地元を、そして加茂青年会議所を私たちの思いのカで盛り上げてまいりましょう。