新潟県三条市出身の全盲のシンガーソングライター、佐藤ひらりさん(20)=武蔵野音大2年=が8月24日の東京パラリンピックの開会式で国歌斉唱の大役を務めたことを契機に、ふるさとの三条市では9月8日の9月定例会で、市民栄誉賞表彰の創設を柱とする三条市表彰条例の一部改正を追加提案した。
パラ五輪開会式の国歌斉唱用のドレスを着た佐藤ひらりさん
議決されれば佐藤ひらりさんを市民栄誉賞の第1号として毎年、「文化の日」の11月3日に行っている三条市表彰のなかで表彰する見通しだ。 佐藤ひらりさんはケンオー・ドットコムの取材に対し、「開会式で歌い切ったときは少ししか時間がなかったけど、こんなに大勢の人に届いていたんだとうれしく思う」と答え、日ごとに実感を増している。 「わたしがきっかけになって市民栄誉賞をつくってもらって、表彰されるのはうれしい。三条のいろいろな分野の人が活躍して大勢の人が表彰を受けていったらありがたい」と話した。
母の絵美さん(47)は「ひらりが歌い続けるなかで常に三条市をアピールしてきた。三条に生まれ育ち、三条に支えてもらっていることは絶対に忘れはならないと胸に刻んでここまで来た。こういう形で喜んでもらえるはうれしいし、またひとつ恩返しができたと思う」と喜んだ。