8月24日の東京パラリンピック開会式で国歌を歌った新潟県三条市出身の全盲のシンガーソングライター、佐藤ひらりさん(20)=武蔵野音大2年=が9月13日、花角英世県知事を表敬訪問した。
大役を務めた佐藤ひらりさんの功績に、三条市は市民栄誉賞を創設して佐藤ひらりさんに授与することにしている。この日は午前に滝沢亮三条市長を訪問し、午後から花角知事を訪問した。
佐藤ひらりさんはデニム素材の和服に佐藤ひらりさんが京都の西陣をイメージしてつくったオリジナルソング『鼓動』をテーマにした西陣織の帯を締めて知事室を訪れた。地元の酒蔵、福顔酒造がつくった佐藤ひらりさんの20歳を記念したラベルを張った醸造酒を花角知事にプレゼントした。
佐藤ひらりさんは「どこでも言い続けてきた国家斉唱の夢をかなえることができた。本当にありがとうございます」、「これからもわたしのふるさと新潟県を忘れずに、今は武蔵野音大で作曲を勉強しているが、これからもっと羽ばたけるように新潟県も県外にPRしていきたい」と話した。
「わたしがつくった曲を子どもからおとなまで、みんなが口ずさんでくれるような曲を作れるシンガーソングになることと、今までは全盲のシンガーソングライターとフィーチャーされることが多かったが、これからはネットやテレビでわたしの歌を聴いて、この歌はいい歌だな、この歌をつくった人は目が見えなかったの?というステップで広まっていけるような、日本のスティービー・ワンダーになりたい」と抱負を話した。
本番では「珍しく緊張した」と話す佐藤ひらりさんに、花角知事は「本当に多くの人がひらりさんの姿を見て、頑張らなきゃと、感動と勇気を感じたと思う」とたたえた。
訪問後のインタビューに佐藤ひらりさんは、支えてくれた人に感謝の気持ちを込め、コロナ禍でみんなの心がひとつになればいいと思って歌ったことや、三条市の午後5時のチャイムに使われるような親しみやすい曲をつくりたいなどと話した。