31日投開票の衆院選で新潟2区に立候補している国民民主党の高倉栄氏(50)が25日午後2時から燕市で行った街頭演説に党代表の玉木雄一郎氏(52)が応援に訪れた。
玉木氏は今回の選挙の争点を政治の信頼を取り戻す選挙とし、党代表として国会で3つの内閣と対峙(たいじ)するなかで、聞いたことに真正面から答えない、資料を要望しても出てこない、出てきても真っ黒に塗られた資料しか出てこない現状を話した。
挙げ句に公文書改ざんが起き、その責任を誰も取らない政権に対して理不尽で嘘や偽りの政治を続けるわけにはいかないと熱く語った。
政治の信頼は、与党と野党の共同作業が必要で、いい野党がいないといい与党が育たない、逆に懐の深い与党がいないと建設的な野党は生まれてこいないと与野党の関係性について持論を展開。だから国民民主党は「対決より解決」を念頭に置き、批判するだけでなく具体的な対案を出すことを積極的に行ない、その成果として「孤独・孤立対策担当大臣の創設」と「定額給付金」の2点を実績としてあげた。
コロナ禍で国内では女性の自殺者が急増し、誰にも相談できない人がいる。国として役所の縦割りをこえて対応できる孤独・孤立対策を担当する大臣の新設を要望し続けてきたことについてふれ、当初は馬鹿にされたり、さまざまなところから批判されたり、必要ないと言われてきた。
ことし2月に菅政権で創設されることになり、そのときに玉木氏に当時の加藤官房長官から直々に閣議決定の30分前に電話で「最初はいろいろな批判をしてきたけど、政府のなかで今の現状を見た時に国民民主党が言ってきた孤独・孤立対策担当大臣が必要だと思うからつくるね」と連絡があったという国会での裏話を明かした。
定額給付金についても昨年3月にどの党よりも早く国民民主党がいち早くまとめて発表したことについても話した。
反面、党の議席が少ないために必要と思う政策の実現に時間がかかる現状から、今回の選挙では大きく飛躍するためにも高倉氏を全力で後押ししてほしいと沿道の有権者に訴えた。
今回の選挙のもうひとつの争点として経済対策と述べ、先進国で唯一、1996年以降、日本の実質賃金が下がり続けていることにふれ、そのことが学生の奨学金の借り入れ、奨学金の困難な返済、さらには結婚、子育て、年金など多くのことに影響を与えており、だからこそこの25年間の負の連鎖を断ち切ることがいちばん大切と述べた。
国民民主党は給料が上がる経済の実現を政策のど真ん中に位置付け、その方策として技術革新やイノベーションを進めるための人材の育成、そのための教育予算を倍額にすることを公約として語った。
この公約の背景には、日本の国全体予算は30年間で1.7倍になっているにもかかわらず、教育や科学技術の予算は昭和の最後から令和までほとんど30年間、同じくらいの予算しか確保されていない。一方で中国は25倍に増やしている状況の中で、30年前に4年連続1位だった国際競争力ランキングが31位に落ち、同じアジアの中国や韓国よりも低くなっている現状があると指摘した。
どんな家庭に生まれても等しく教育が受けられることを公約として「人づくりなくして国づくりなし」と熱弁。最後に「これらの政策を実現していくためにも高倉栄を先頭に新しい日本を切り開いてくので、小選挙区では高倉栄、比例代表では国民民主党に力を貸してください」と力強いエールで締めくくった。