衆院選新潟4区を制した前職の立民・菊田真紀子氏(52)は開票が始まる前に夫の急死を知らされたが、「政治家として私がこれから何を守るべきか、何をすべきかを夫は身をもって教えてくれた」と気丈に話した。
開票速報は常に菊田氏が国定勇人氏(49)をリードしていたが、テレビ各局が投票所で行った出口調査で、国定氏が菊田氏を上回ったという結果を発表していただけに重苦しい雰囲気だった。
それ以上に重くのしかかったのが、菊田氏の夫の急死。金曜の29日夜から30日と2日間、夫と連絡が取れなかったため、31日に赤坂にある議員宿舎に管理人に頼んでかぎを開けてもらったところ、ベッドの上で夫が亡くなっていたことがわかった。
投開票日の訃報に、菊田氏はすぐに上京。菊田陣営は本人のいない中で選挙結果を見守ることとなった。
開票結果が次々と報告され、三条市では大差がついたが、他の選挙区での開票結果が出るにつれ、少しずつ差を縮め、最後の最後に小差で勝利し、会場は驚きとともに歓喜と涙に包まれた。
今回の勝利に選挙対策本部長の小島晋県議は、「選挙戦は結果でわかる通り本当に苦しかった。一人ひとりの支援が大輪の花を咲かせることができた」と感謝。あわせて、菊田氏の夫の死去にふれ、「本来であれば万歳をすることをどうしようと思いましたが、この結果をいちばん気にし、いちばん喜ぶはずだっただんなさんに声が届くように万歳をお願いします」と全員で万歳し、喜びを爆発させた。
また、菊田真紀子さんの妹で今回の代理を務めた伊佐薫さん(49)は支援者に対して感謝を述べるとともに、本当は姉もここにきて喜びたかったと涙ながらに語った。
菊田氏本人も電話であいさつし、一緒に祝うことができなかったことを謝罪し、多くの人が必死で議席を守ることができたことに感謝した。
夫に死についてはて「人生とはわからないもので、私は最愛の人を失った。でもきっとそれは何か意味のあることで、政治家として私がこれから何を守るべきか、何をすべきかということをきっと夫は身をもって教えてくれたんだと思う。今まで以上に一人ひとりのすべての皆さんの命を守るための仕事を全力で尽くしてきたいと思う」と述べて支援者の涙を誘い、歓喜と涙が入り混じった勝利宣言となった。