新潟県内で伝統的工芸品に指定されているのは13産地の16品目。そのうち9産地の12品目を一堂に集めた第38回新潟県伝統的工芸品展が13日(土)、14日(日)の2日間、三条ものづくり学校(三条市桜木町)で開かれており、展示販売と実演、製作体験コーナーで伝統工芸品の真価や職人の技にふれてもらっている。
新潟県伝統的工芸産業振興協議会(山田貴之会長)が主催。毎年、県内で新潟県伝統的工芸品展を開いている。ここ数年は長岡市・アオーレ長岡が会場で、昨年は三条市体育文化会館を会場に計画したが、新型コロナウイルスの感染防止のため中止した。
仕切り直してことしは「燕三条 工場の祭典」にあわせて計画したが、工場の祭典はオープンファクトリーが中止になり、代わりに展覧会「燕三条ファクトリーミュージアム」に形を変えた。三条ものづくり学校は工場見学の拠点のひとつとなる見込みだったので、その来場者から流れてくる集客を当て込んだが、かなわなかった。
とはいえ県央地域では約20年ぶりとなる久しぶりの開催。地元の三条・燕・西蒲仏壇組合と越後三条鍛冶集団をはじめ新潟仏壇組合・白根仏壇協同組合、加茂箪笥(たんす)協同組合、十日町織物工業協同組合、塩沢織物工業協同組合、長岡地域仏壇協同組合、小千谷織物同業協同組合、村上堆朱事業協同組合が出展している。
それぞれ展示販売コーナーで仏壇に関連した木工や彫金など、経済産業大臣が指定する伝統的工芸品に受け継がれる技術を注ぎ込んだ塩沢織、十日町絣(かすり)、小千谷縮、村上堆朱、包丁やはさみ、桐製品などを販売している。
それぞれの団体が実演を行い、織物の実演は機織り機も持ち込んでいる。製作体験は木彫のストラップ、ダルマ型人形の蒔絵(まきえ)体験、鉛筆の金箔張り、桐ペン立て、蒔絵ネームプレートなど充実しており、伝統の技を五感で楽しめる。
初日13日は冷え込んで風雨が強い荒天のこともあり、来場者の出足は鈍かったが、山田会長は「これだけの伝統的工芸品を一度に見られる機会はなかなかない。ぜひ足を運んでほしい」と来場を待っている。
抽選で合わせて45人に参加団体が用意した製品が当たる来場者アンケートもある。13日は午後5時まで、14日は午前10時から午後4時まで開場。