被災地支援に取り組む一般社団法人LOVE FOR NIPPON(広末順代表理事・東京都渋谷区)は、新潟県三条市の企業がボランティア活動に必要な道具を数多く寄付してくれたことに感謝して15日、滝沢亮三条市長に感謝状を贈った。
キャンドルアーティスト「キャンドル・ジュン」としても活動するLOVE FOR NIPPONの代表理事、広末順さん(47)が市役所を訪れ、滝沢市長に感謝状を手渡した。
LOVE FOR NIPPONは、2011年の東日本大震災を契機にオークションやフリーマーケットで寄付を募り、避難所や仮設住宅を訪問し、ニーズに応えた被災地との交流を続けている。
その後も16年の熊本地震など各地の被災地支援に活動の場所を広げ、19年に長野県で千曲川が氾濫した災害でも民家やリンゴ畑の復興に取り組んだ。そこでは三条市の企業から寄せられたスコップ、包丁、つめ切り、キッチンツール、ガスボンベ、さらには西洋ナシやコロッケの食品までさまざまな物資を被災地へ送った。
その仲介役として貢献したのが、LOVE FOR NIPPONの理事で新潟支部長の斉藤巧さん(45)=三条市=。建設業を営む仕事のネットワークなどを生かして企業に声をかけたおかげで、たくさんの支援物資が寄せられた。
滝沢市長の訪問には、広末さんと斉藤さんに加え、毎年、ことしの東日本大震災が発生した日に福島県郡山市で行われた追悼イベントで揚げた、福島の子どもたちが絵や言葉を描いた三条六角巻凧を作った須藤凧店の須藤健一さんも参加した。
広末さんは「お互いさまというテーマが最も日本の災害復旧にはふさわしい。燕三条の確かなモノをくれるとなるので、みんな大事に使ってくれる」と言い、「本当に困ったときに必要な道具を使って本当に良かっとなれば、助かったエピソードとともにその道具を紹介してくれるので、こんなすごいプロモーションはない」とし、「売名行為と言われようが、さまざまな企業の誇る商品を現地にダイレクトに伝えるのが新しい形になる」と考えを話した。
滝沢市長は「三条の製品が災害のときにだけ役立つのではなく、それをきっかけに長く続いて被災された人に伝わってるときいてとてもうれしい」と喜んだ。
ほかにも毎年1月15日に三条市・八幡宮にたくさんの和ろうそくをともす献灯祭にキャンドルナイトをからめるような連携の提案や、広末さんがプロデュースした渋谷区来街者向け防災リーフレット「SHIBUYA OK!? MAP」の紹介もあった。
今回、広末さんは、燕三条地域で支援してくれている企業へのお礼参りに各社を訪問し、この日の夜は協力企業との懇親会にも参加した。