3日明け方の新潟県県央地域は、放射冷却現象もあって各地でこの冬いちばんの厳しい冷え込みとなり、道路が凍結してスリップ事故が多発。新潟県加茂市では交通事故で出動した救助工作車に救急車がスリップして追突する事故があった。
藤田明美市長が3日行った定例記者会見で公表した。午前7時36分、加茂地域消防本部は県警から加茂市の加茂大橋の上で軽トラックが横転しているとの通報を受け、救急車と車内に閉じ込められた人の救助などに使う救助工作車を現場へ出動させた。
加茂大橋は加茂市役所前通りの県道9号長岡栃尾巻線の信濃川に架かる橋。2台が加茂市役所方向から加茂大橋を渡っていると、橋の中央より少し手前の左車線で軽トラックが横転していた。
実はこの軽トラックは通報があったのとは別の軽トラック。通報があったのはすぐその先の右車線で横転していた軽トラックで、2台の軽トラックが橋の中央付近で横転していた。いずれも路面凍結でスリップしたことによる自損事故と思われる。
消防車両は、まず通報とは別の手前で横転している軽トラックに対応しようと、道路工作車が右車線に入って停車したところ、そのすぐ後ろを走ってきた救急車が追突した。
かなり速度が落ちて追突したようで、頑丈な救助工作車に損傷はなく、救急車はバンパーがへこむなどしたが、自力走行には問題がなかった。2台それぞれ職員3人が乗車していたが、けがはなかった。手前の軽トラの運転手にけがはなく、通報のあった軽トラの運転手は打撲とすり傷ていどの軽いけがだった。
加茂地域消防本部では、11月19、20、21日の3日間ですべての車のタイヤを冬用に交換していた。橋は下も吹きさらしなので地面の道路より凍結しやすい。加茂署によると、この日の朝は管内で5件の道路凍結によるスリップ事故を確認している。
藤田市長は「加茂茂大橋では渋滞が起き、作業中の方や通行中の方にご迷惑をおかけした」とわびた。加茂地域消防本部の萱森修一総務課長は「今事案については、救急搬送に影響は出なかったものの、救急車の破損事故を発生させ、住民の皆様にご心配をおかけしたことを深くおわびする。日ごろから緊急車両の運転操作を慎重に行うよう指導しているところだが、冬季を迎え、あらためて安全運転を徹底したい」と話した。