自然豊かな新潟県三条市下田地域で観光やアウトドアに関連した職業訓練を受ける三条市滞在型職業訓練施設「しただ塾」のアウトドア観光従事者養成科の閉講式が14日、拠点の旧荒沢小学校で行われ、10月15日から2カ月の訓練を終えた4人が修了証書を受けた。
しただ塾は、ことしで6年目。観光関連サービス業への就職や地域の観光資源を生かした起業を目指す人に、地場産業の経営者の講話や企業見学を通じて、観光のあり方を学んでもらう訓練で、NPO法人ソーシャルファームさんじょう(柴山昌彦理事長)が運営する。
今回はいずれも県内の50代、60代の男女2人ずつ、4人が218時間の訓練を終えて修了式を迎えた。1人は下田のシェアハウスに住み、それ以外は自宅から通った。就職が決まった人はまだいないが、熊倉直信塾長から一人ひとりに修了証書を手渡した。
熊倉塾頭は式辞で、「ここで得た体験で人生を歩むことが大切で、再出発のきっかけになれば」と願った。塾生はあいさつで「もう少し続けたいのが本音」、「わたしの人生のなかでこんなに満たされた2カ月間はなかった」と声を詰まらせる人もあり、「新潟や三条のいいところを皆さんに伝えたいという気持ちがますます強くなった」、「三条へ通う景色が美しく感じられ、みんな笑顔にあふれて、ここへ来るまでいやされた」と充実した訓練、体験を振り返っていた。