新潟県警燕署は特殊詐欺被害防止広報活動の一環として15日、地元の吉田北地区まちづくり協議会のボランティアでつくるご当地ヒーロー「方言戦隊メテオレンジャー」のメテオピンクを防犯ボランティアの一日生活安全課長に任命。特殊詐欺被害防止の呼びかけ、メテオレンジャーにとっても久しぶりの活動で息を吹き返した。
メテオレンジャーはピンク、ブルー、グリーン、レッド、イエローの5人で、2014年に誕生。この日は有給休暇をとり、19年4月から3年間、燕署に委嘱されている「特殊詐欺被害防止推進員」のたすきをかけて燕署に勢ぞろいした。一日署長ならともかく、燕署が一日交通課長を任命したのは初めて。
渡辺将署長からメテオピンクに一日生活安全課長の任命書を手渡し、そのたすきをかけた。渡辺署長はことしに入ってから11月末までの燕署管内での特殊詐欺被害は6件で被害額約1200万円、県内では102件、被害額2億円にのぼっていることを話した。
コロナ禍でも犯罪者集団は手を変え品を変えて特殊詐欺の犯行に及んでいるとし、「きょうはぜひ皆さんの力を借りて少しでも多くの方に特殊詐欺被害の防止を注意喚起していただきたい」と貢献に期待した。
メテオピンクは「大きな声で頑張りますので、おうち帰ってからも話題にしていただいて燕市から、新潟県から詐欺がなくなるようにしましょうて」とあいさつした。
続いて原信吉田店で来店客に特殊詐欺被害防止の啓発グッズや自前で制作したメテオレンジャーの詐欺被害防止PR動画を収録したDVDを配布した。午後からは米納津郵便局、JA越後中央吉田店、粟生津郵便局でも同様に特殊詐欺被害防止を呼びかけた。
原信吉田店では、「方言戦隊」の名称を最も体現しているメテオピンクは「詐欺にひっかかんなね」と遠慮のない方言で被害防止を呼びかけ、「DVDをごみ箱にポイすんなね」、「孫に操作してもろてDVD見てね」、「荷物にならんかね」とハッスル。「人をたらかしたぜんで自分たちがぜいたくしてさ、それでいい気がするかの」と犯罪者に憤っていた。
コロナ禍でメテオレンジャーの活動も大幅に制約されており、存続を危ぶむ声すら上がっていたが、今回の一日生活安全課長で久しぶりに5人が顔を合わせたことで、すっかり意気も上がっていた。