新潟県燕市の救急現場でAED(自動体外式除細動器)を使うなどの適切な救命処置で人命を救った新潟県卓球ベテラン会(山崎正貴会長)に16日、燕・弥彦総合事務組合管理者の鈴木力燕市長から感謝状を贈って功績をたたえた。
新潟県卓球ベテラン会は、新潟県内の30歳以上の卓球愛好者200人余りの会員があり、年4回の卓球大会を開いている。11月13日に燕市吉田総合体育館で開いた大会で、試合開始後間もなく、試合中の60代男性の会員が突然、倒れた。
目撃した会のメンバーが連携し、119番通報するとともに体育館に備え付けのAEDで除細動を行い、救急隊が到着するまで気道確保や胸骨圧迫を続けた。その後も医療機関へ搬送する救急車にも同乗し、救命処置に尽力した。
倒れた男性は入院して2回、手術を受け、数日前に無事に退院した。燕市内でAEDによる処置が行われたのはこれが3例目で、救命に成功したのは2例目となった。
16日は新潟県卓球ベテラン会会長の柏崎市・山崎正貴さん(48)が市役所を訪れ、鈴木市長から感謝状を受け、当時の状況を話した。
本部席に待機していた山崎さんは、選手が倒れたと聞いて急いで駆けつけると男性は意識がないように見えた。近くにいる人が心臓が止まっているようだと言うのでAEDを借りに体育館の事務所へ駆け込み、アリーナ入り口前に設置されているAEDを使った。
山崎さんはスポーツ施設で管理の仕事に就いており、年に1回ほどAEDの操作の訓練を受けていたので、「それを思い出しながらAEDを作動させた」。会員のなかには看護師もいた。周りの人も気道確保や胸骨圧迫、名前の呼びかけ、タオルやジャージをかけて体を暖めるなど連携して協力した。
「呼吸が戻ったら、うなり声のような声をあげて、みんなで拍手して歓声で。みんなのおかげで一命を取り留めることができた」と山崎さんは会員の協力、連携に感謝した。
鈴木市長は、山崎さんの迅速な対応に感謝するとともに、基本的な知識をもっていることが大事で「AEDの講習会などをしっかりやっていかなければならないと思った」と話した。