新潟県加茂市の藤田明美市長は、市立加茂南小学校(川崎久雄校長・児童185人)の6年生27人が国語授業の単元「町の幸福論」でICT機器を使ってまとめた提言を見てみたいと17日、6年生からプレゼン発表会を開いてもらった。
昨年の「町の幸福論」は、紙芝居形式で提言をまとめたが、国のGIGAスクール構想で昨年12月に市内すべての小中学生に1人1台のタブレット端末を整備した。
ことし10月、藤田市長は加茂南小のICTの取り組みを視察したときに「まちの幸せについて」に6年生が取り組んでいるようすを見学し、提案がまとまったら見学したいと希望。先にクラスで行ったプレゼンとは別にあらめて藤田市長向けにプレゼン発表会を開いた。
6年生は6つの班に分かれて加茂市の現状や課題を調べ、各班2つの提案を示した。タブレット端末を使って電子黒板に画像を映して発表を進め、そのようすを藤田市長、五十嵐裕幸副市長、山川雅己教育長、前加茂南小校長の佐藤和彦市立若宮中校長が最前列に座って見学した。
各班はインターネットなどを活用して加茂市の課題点として加茂市の人口現象や商店街の衰退、加茂山公園の利用者の少なさなどをあげた。その解決柵として多くはイベントを提案。兵庫県神戸市のお下がり交換会や山梨県笛吹川の魚のつかみ取り、岐阜県岐阜市のウォーキングの会などすでにほかのまちで実践されているものも提案した。
ほかにも商店街を舞台にした宝探し、ゴミビンゴ、リレー式マラソン、そして商店街を走る人がどれくらいの距離を走ったかわかるように500メートルごとにメートルシールを張る提案もあった。
プレゼンを見終えて藤田市長は、堂々とした発表の態度やタブレットと電子黒板を使いこなし、内容には「もっと課長さんとか職員の人にも聞いてほしかった」と6年生をほめ、「それくらい加茂のことを真剣に考え、取り組みやすことを考えてくれた」と感謝した。
また、10月に加茂市が策定した総合計画で将来像を「笑顔あふれるまち加茂」としたことにふれ、6年生の提案にもこうやると笑顔あふれるといった内容があったのがうれしく、「加茂市がこれから目指すところと皆さんが考えているところが同じだと思った。市長としてもすごく自信になった」と喜んだ。
また、発表を聞いて加茂市にはイベントが足りないと思い、できるイベントはやってみたい、持ち帰ってできるかどうか検討したいと話し、6年生にもまちづくりに参加してほしいと期待した。