新潟県三条市西本成寺地区の有志を中心につくるボランティアグループ「西本成寺有志会」(石田節雄会長)は26日、ことしも門松を手作りして市内の福祉施設に届けた。
西本成寺有志会は、嵐南地区の法華宗総本山本成寺近くの本成寺保育園の草取りや冬囲いのボランティア活動に始まり、会員も大きな被害を受けた2004年の7.13水害に伴って三条市総合運動公園に設置された仮設住宅で暮らす人たちのためのお楽しみ会を開こうと05年に発足した。
門松作りは20年ほど前に本成寺保育園に飾るために作ったのが最初で、今は本成寺山内の寺や個人、店舗などの注文も受けて材料費程度の値段で製作しており、10年ほど前から福祉施設にも寄付している。
26日の門松づくりには70代が中心の会員15人ほどが参加。会員の家で缶をベースに先を斜めに切った青ダケを3本立て、紅白の実をつけたナンテンやマツ、マンリョウ、センリョウ、ハボタン、マメノキ、ユズリハなど縁起を担いだ材料で飾り、高さ1.4メートルほどある9基の立派な門松を製作した。
三条市総合福祉センター、障がい者居住支援拠点施設「長久の家」、障がい者福祉施設社会福祉法人さかえ福祉会が設置する「さかえの里」など4福祉施設の合わせて6施設に届けて寄付した。
雪が舞う厳しい寒波に見舞われ、手袋をしていないと手がかじかむ厳しい寒さだったが、用意した材料を使って「どの門松を基本にしたらいいかわからね」、「ばかいいなってきたねっか」と、わいわいコミュニケーションしながら作業に精を出した。
会長の石田節雄さん(72)は「ことしは雪が遅くてナンテンの実を鳥が食わなかったらいっぱいあって、バランスのいい門松になった」と顔をほころばせた。
メンバーのひとり、金安豊治さん(89)にとっては来年3月で90歳の卒寿を迎える前の記念の門松作り。ことしは作った1対の門松を三条市総合福祉センターへ持ち込み、同センターに事務局を置く三条市社会福祉協議会の上石貞夫会長から感謝の言葉を受けた。
金安さんは15歳のころから独学で盆栽づくりを続け、そのセンスを門松作りにも生かす。「ことしはちっとデラックスらね。ひとまわりぐらい大きいね。いい材料がいい塩梅にそろったんじゃねーかね」とことしの出来栄えに満足していた。