天皇陛下の即位を祝って2年前に復活した新潟県弥彦村・弥彦神社の正月飾り「三光之飾(さんこうのかざり)」の記念イベントのもちつきが25日、弥彦神社相撲場で行われた。
起源は定かではないが、三光之飾は弥彦神社で明治5年(1872)まで行われてきた。三光之飾は3つの飾りもちを横に並べ、真ん中が「日」、向かって右が「月」、左が「星」を現す。それぞれ特注した高さ約30センチの四方台に飾り餅を上に若松、榊、串柿、梅の花、竹、星玉などを載せる。
復活して3年目のことしも30日に三光之飾を作って正月飾りにするが、それに向けて毎年、一般社団法人弥彦観光協会(野地誠会長)主催で復活記念イベントを行っている。例年のように土俵に祭壇を設けて神事、三光之飾の開設のあと、もちをついた。
もちつきの担当は、自衛隊新発田駐屯地第30普通科連隊の自衛官7人。弥彦神社のはっぴを着て昔ながらのうすときねを使い、弥彦産の「こがねもち」を3升(しょう)ずつ、6うすついた。1つのうすで3人が息を合わせて順番にきねをついた。
もちつきに合わせたように雪が本降りになり、見物客数十人からきねをつくタイミングに合わせて「よいしょ!」の声が上がった。最初についたもちは神前に供えるため三方に載せて運んだ。
見物客には事前に用意した飾りもちを配布し、つきあがったもちは弓道場で雑煮や大根おろしをつけて関係者20人余りで味わった。
本番は33kgのもちをついて30日の正午ごろまでに三光之飾を完成させる。31日夕方にさい銭箱から見える拝殿の前の方に飾り、元旦の8時ごろには祈祷殿に移動させて7日まで飾るので、一般の参拝客は大みそかから元旦のわずかな時間しか見ることができない。