年末年始に大量廃棄されるくらいなら飲んで消費してもらいたいと28日、新潟県三条市栄地区で唯一の酪農場で牛乳のがぶ飲みパフォーマンスが行われた。加えて30日(木)は牛乳の無料配布も行う。
コロナ禍で飲食店の乳製品消費が減っているうえに、年末年始は学校の給食がなくなって消費が減る一方、夏が苦手なウシは涼しくなると乳量が増えるため、5000トンもの牛乳の廃棄が見込まれている。岸田文雄首相は年末年始に牛乳を1杯多く飲み、料理への乳製品活用など国民の協力を呼びかけた。
栄地区には唯一の酪農場、村佐喜(むらさき)農場がある。栄地区で内山農園を営む内山徳寿さん(44)の発案で、JAにいがた南蒲青年部の栄地区の「いちい支部」(吉田昌広支部長・部員14人)としてがぶ飲みパフォーマンスを企画した。
部員10人が村佐喜農場に集結。それぞれコップに牛乳を注いで「かんぱーい!」を合図に飲み干した。
村佐喜農場は50年以上続く酪農場で、40頭の乳牛を飼育する。代表の村山喜隆さん(37)は3代目。「冬は水をあまり飲まなくなるので、脂肪率が高く濃厚な牛乳になる」と言う。牛乳は全量買取とはいえ廃棄されるのはしのびなく、「現場からも何とか声をあげて飲んでいただこうと思っている」と消費拡大を願う。
発案者の内山さんは「現場からの声がいちばん大事だろうと思って集まって牛乳飲んでPRできたらなという思いで発案しう。適当に言ったらみんな賛同してくれて、若い力で盛り上げてくれたらいい」と部員の協力を喜んだ。
牛乳の無料配布は30日午前9時半から地元のJAにいがた南蒲農産物直売所「ただいまーと」(福島新田)で200mlパックを150個、配布する。