新潟県弥彦村の弥彦神社(渡部吉信宮司)は、みそかの30日、復活3年目の正月飾り「三光之飾(さんこうのかざり)」をことしも完成させ、神前に供えた。
弥彦神社では起源は定かではないが明治5年(1872)まで三光之飾を行われてきた。三光之飾は3つの飾りもちを横に並べ、真ん中が「日」、向かって右が「月」、左が「星」を現す。それぞれ特注した高さ約30センチの四方台に飾り餅を上に若松、榊、串柿、梅の花、竹、星玉などを載せる。
渡部宮司が弥彦神社の古文書を研究するなかで、元号が平成から令和に変わった時代の天皇陛下即位の記念にふさわしいと、三光之飾の復活を思いつき、2年前から行っている。
30日は午前中に三光之飾を作り、正午過ぎから拝殿で神事を行って厳かに神前に供えた。この2日前の28日に三光之飾をはじめ、各所に供え鏡もちをついた。その数は4升2うす、3升5うすにもなり、大仕事だった。ひび割れしないようにすぐに冷やして保管しておいた。
三光之飾は祭壇の高い所に供えたので、参拝客も拝殿前から拝むことができるが、31日夕方には参拝客からよく見える拝殿の前の方に移す。しかし1月1日元旦の午前8時ごろには祈祷殿に移動させて7日まで飾るので、一般の参拝客が間近で見られるのは2年参りとその前後の短い時間に限られることになる。