働き方改革の一環で新潟県三条市は、年明けから県内の自治体で初めて職員の通年ノーネクタイを実施。職場環境改善で「選びたくなる三条市役所」となって職員採用の応募増も目指す。
「三条市役所版働き方改革2022」として、通年でネクタイを外し、ジャケットにシャツ、スラックスといったビジネスカジュアルスタイルでの働きやすい服装での勤務を導入した。全国的には通年ノーネクタイの自治体が増えつつあるが、新潟県内は三条市が初めて。
6日にLINEワークスの庁内掲示板でノーネクタイの実施を職員に周知し、翌7日から実施。週明けの11日はすでに8割、9割の男性職員がノーネクタイで出勤した。
三条市では、これまでもクールビズでノーネクタイを実施してきた。夏の上着を着ないシーズンのノーネクタイには慣れているが、通年になったことで上着を着てのノーネクタイに、仕事が終わって疲れてネクタイをはずしているようなイメージがあると違和感も感じる職員もいる。
しかし、いざノーネクタイで仕事をしてみれば、えり元が楽なのは言うまでもない。職員にはおおむね好評で、ワイシャツにも限定していないのでハイネックニットでおしゃれにきめる若手職員もいる。
「三条市役所版働き方改革2022」では、ほかにも文書管理・電子決裁システムの導入、パソコンの100台デュアルディスプレー化、リモートワークの推進、男性職員の育児休業のさらなる促進に取り組む。
滝沢亮市長は、夏は暑さを我慢せずに冷房を稼働するよう指示するなど、職場環境の改善で仕事の効率化を図ることに力を入れている。ノーネクタイについても滝沢市長の発案で進め、11日の定例記者会見ではもちろん滝沢市長はノーネクタイでのぞんだ。
会見で滝沢市長は通年ノーネクタイの実施の理由について、DX、SDGs、カーボンニュートラルなど新しい課題を前に「市役所の公務員といえばネクタイをして、きっちりとした格好でやらなければならないというような固定概念にとらわれているような雰囲気であれば、組織であれば、そういう新しい課題について考えられない」と話した。
一方で、新潟県庁の職員採用の応募が容易でないという記事にふれ、三条市も「対民間というくくりで採用力を強化していくためには、受け入れやすい柔軟な組織であることを学生や就職を考えている人たちにもアピールしていかないと、三条市役所の組織というものが今後も強い形で維持できないと考えた」と述べた。
また、女性職員の服装についても接遇マニュアルの身だしなみとし定めている具体的な服装を見直しを進めており、TPOにあわせて個人が判断するといった内容にあらため、今週中にもまとめて周知する考えだ。