新型コロナウイルスの感染の急拡大で新潟県にも初めての1月21日から2月13日までを要請機関にまん延防止法等重点措置が適用された。飲食店には再び酒類提供の制限や営業時間の短縮が要請されて経営を圧迫するなか、生き残りをかけた経営努力を図っている。
三条市・中央商店街にオープンして13年目になる讃岐地方の名物の骨付き釜焼き鳥とおでんの店「釜焼鳥本舗おやひなや 三条中央店」は26日、ランチ営業を始めた。これまでは夜間だけの営業だった。
釜焼き鳥の定食をはじめ、ハラミ炒め、とり皮ギョウザ、カキフライなどの定食や焼きそばセットなどを用意。まん防期限の2月13日まで時短にも協力して午前11時45から午後8時までの通し営業し、午後2時までランチタイムとしている。
初日の利用はわずか2人の知り合いにとどまった。同店を運営する会社、有限会社スズトーの社長で中央商店街の理事長でもある鈴木直さん(74)は「やっぱりという感じ」と想定内とはいえ、ため息をつく。
昨年9月3日から16日まで県が独自の特別警報を出したときも、それにあわせて9月6日から16日までランチ営業した。今回のランチ営業の反応も予想はできた。
「ちょこっとランチをやってもそんなに人は来ない。ふだんからランチをやっているところにはかなわない」と多くは期待しないが「知り合いやつながりのある人からランチをやっていることが広がってくれれば」とも。
県の新事業チャレンジ補助金の採択を受け、感染防止対策を含め客が店に入りやすくなるような店舗のリニューアルを行ったばかり。ランチ営業も補助金の申請の内容に盛り込んだもので、まん防が終わっても週2,3回のペースでランチを営業を続けたいと考える。
鈴木さんは「早く収束してくれるのがいちばんで、いつまでもこうしていられない。感染拡大防止協力金も続けてはいけないだろうし」と気をもむ。
落ち込んだ売り上げを少しでも補おうとランチ営業を始める店はほかにもある。しかし、「ランチは手間がかかる割に売り上げの貢献は少ない」とやめてしまう店が多く、「やらないよりはましというていどだけと、今はやるしかない」とひたすら来店を待っている。