新潟県加茂市で初めての地域おこし協力隊に着任した松本悠雅さん(23)に27日、藤田明美市長から委嘱状を交付した。
松本さんは大阪府大阪市出身。監物永三、池谷幸雄、西川大輔など体操で五輪メダリストを数多く輩出する大阪・清風高校体操部から加茂市・新潟経営大学経営情報学部スポーツマネジメント学科に進学し、体操競技部に所属した。
昨年、卒業すると東京の建築資材メーカーに就職し、営業職に就いたが、退職してことし1月1日付けで加茂市の地域おこし協力隊に着任した。
3歳から本格的に体操を始め、高校ではインターハイの夢はかなわなかったが、新潟経営大ではインカレに3年生で個人で出場。4年生では団体に出場して二部の2位となった。
東京はなんでもある反面、人が多く、息苦しさを感じたが、「生きてきたなかで大学4年間の新潟は、自分のなかでもいちばん気持ちよく生活できた。自然もあって生活しやすかく、新潟に住みたいと思ったのと、スポーツで影響を与えられる仕事をしたいと思った」と新たな方向性に気づいた。
そのタイミングで加茂市が地域おこし協力隊を募集していることを教えてもらい、応募した。市が用意した市内のアパートに住み、スポーツ振興課に所属し、4日から勤務している。
「現代はどの世代も健康意識が高まっている。子どもたちから高齢者まで体、健康が第一。けがの予防や動ける体を維持するためのトレーニングや体の動きを指導していきたい」と言う。
加茂市の自然にみせられた。川がきれいで都会の緑は人工的に感じた。加茂川や体操センターへ向かう道中のサクラ並木に四季折々四季折々、河川敷を歩いてリフレッシュした。
東京は家が多く、窓を開けたらとなりのいえの料理のにおいがしたり、洗濯物を干すのもままならず、日々のストレスを感じた気がする。
加茂市の地域おこし協力隊第一号であることについて、「初めてであることを楽しみながら、前任者がいないこともいいふうにとらえ、自分を生かして貢献したい」。
地域おこし協力隊としての取り組みはこれから具体化させていくが、最長で3年間の地域おこし協力隊を卒業しても加茂市からよそへ引っ越そうとは思っていないと言うほど、加茂市に愛着がある。
「体操のジュニアを指導し、どんどん新しい取り組みで加茂市を活性化させたい」、「めいっぱい自分のもっているものを発揮できたらいい」と張り切っている。
松本さんはJATI認定トレーニング指導者資格を取得しており、「市民の健康づくりに指導的な立場になることに期待する。体操トレーニングセンターで子どもたちの指導に当たっているし、外からの視点で加茂市を発信してほしいとも思っている。そういことができる人だなと」と期待を寄せた。
また、市企画財政課では引き続き地域おこし協力隊を募集しており、来年度末までには3人に増やしたい考えで、応募を待っている。