新潟県田上町の「道の駅 たがみ」をはじめ町内4施設で5日から13日まで初めての「たがみひな巡り」が開かれる。各施設がひな人形やつるしびなを飾り、地域が連携して新たな田上の魅力を発信する。
「道の駅 たがみ」は、直売所と飲食コーナーの建物につるしびなを展示する。長岡市の「長岡つるしびなの会」をはじめ、近隣の個人が手作りしたもので、天井から花や動物などをかたどった手芸品が約2,500個もびっしりと下がる。入り口を入ると職員が用意した三段飾りのひな人形が迎えてくれる。
ほかの3施設は越後豪農の館「椿寿荘(ちんじゅそう)」、田上町交流会館、田上町地域学習センターで、なかでも「椿寿荘」が圧巻だ。大広間にひな人形が七段飾り5台をはじめ、五段飾り、三段飾り、親王飾りが1台ずつ並ぶ。
町内の人から寄付を受けたり、貸し出されたもの。格式を感じさせる和風建築が真っ赤な緋毛氈(ひもうせん)や金屏風で装飾されたひな壇を引き立たせる。木目込み人形のひな人形もあり、3人の娘がいる持ち主が25年ぶりにお披露目したというメッセージを添えたものもある。
「道の駅 たがみ」隣りの田上町交流会館には、会館を利用する小学生や高齢者、ボランティアら254人が折り紙で作った約30組のつるしびなを通路に展示する。1組は100近い折り紙が下がったものもあり、色とりどりの飾りが華やか。大人のゼミナールのワークショップで手作りしたひな人形も展示する。
田上町地域学習センターでは、折り紙のつるしびな5組を展示する。同センターを利用する子どもたちから折り紙を折ったり、折った折り紙に顔を描いたりして参加してもらった。
2年前にオープンした「道の駅 たがみ」は昨年、初めての「ひなまつり」にあわせて約3週間、つるしびなを展示した。そのときも単独ではなく椿寿荘に連携を呼びかけたが、時間がなくて間に合わなかった。
ことしは椿寿荘からの声かけもあり、共同企画として「たがみひな巡り」が実現。田上町観光協会もちらしの作成で協力してくれ、輪が広がった。馬場大輔駅長は「スタンプラリーではないが、田上の町を楽しんでめぐってもらいたい。田上町を災厄から守りたいという気持ちも表現した」と言う。田上町に湯田上温泉があり、「一歩ずつ積み上げて温泉旅館とも将来的には連携していければ」と期待を膨らませている。