新潟県三条市やその周辺に住む美術愛好家や作家で構成する三条美術協会は、6日開いた令和4年度総会で新理事長に洋画部門の池浦倫之さん(67)=三条市月岡=を決めた。池浦さんは「私の使命は、皆さんの熱い思いをしっかりとつむいでいくこと」と自信の役割を語った。
役員の任期は2年間。ことしは改選の年にあたった。先に作成した新役員の原案を満場一致で承認した。池浦さんは就任のあいさつで、「新たな課題の会員の高齢化、会員数減少、あるいはホームページなどでの情報発信、そして何よりも会員一人ひとりが動きやすい環境づくり。そのための対策などの再整備も考えていかなければならない」と思いを述べた。
池浦さんは中央の美術団体「光風会」の会員で新潟県美術家連盟会員。これまで日展入選、県芸展会員賞、県展奨励賞などを受けている。元三条市職員で退職後は中小企業大学校三条校にも勤務した。
昨年で30周年になった三条美術協会には発足の1991年に入会したが、仕事が忙しくなって一度は退会したもの、4年前に再入会した。
ちょうどこの日は67歳の誕生日。会員減少の対策のひとつとして、三条市文化団体協議会がそうであるように、三条美術協会の会員が三条市の施設を利用するときに減免措置を講じてもらえるよう要請したいとも話していた。
また、2期4年間、理事長を務めた彫塑家の鶴巻純子さんは、理事長に就くのは本意ではなかったが「心配だったが、引き受けたからには少しでも会が発展できるように自分なりに努力させていただいた」とし、30周年記念展が盛会に終わったことを会員に感謝し、池浦新理事長には「素晴らしい改選案で、申し分のない方を推薦させいただき喜んでいる」と話した。
総会には会員90人のうち38人が出席、39人が委任状を提出した。2021年の一般会計、30周年記念誌作成収支決算を承認し、2022年の事業計画と一般会計予算を原案通り決めた。
総会後は例年なら懇親会のところ、新型コロナウイルスの感染防止のため、滝沢亮三条市長から「図書館等複合施設『まちやま』について」をテーマに講話を聞いた。
三条美術協会設立当時、市内に作品展示会場が足りず、文化会館や中越社会教育文化施設の建設の強い願いもあったが、ギャラリーの機能を備えた三条東公民館ができ、3年前には三条市体育文化会館が開館。そしてことし7月の「まちやま」オープンで当時の思いが形を変えて完成したともいえる。