東北電力株式会社新潟支店(藤倉勝明支店長・新潟市中央区)は8日、燕市・県立燕中等教育学校(萱森茂樹校長)で東北電力第47回中学生作文コンクールの表彰式を行い、それぞれ優秀賞と佳作を受けた同校3年の女子生徒2人を表彰した。
東北電力次世代支援プロジェクト「放課後ひろば」の一環で、同社管内の新潟県と東北6県の中学生を対象に作文を通じて自分の将来や地域の未来について考えてもらおうと1975年から毎年、行っているコンテスト。今回は「未来の自分に伝えたいこと」が基本テーマで、432校から1万2448編の応募があり、審査の結果、文科大臣賞1編をはじめ優秀賞6編、秀賞14編、佳作56編が決まった。
新潟県内では35校から1077編の応募があり、優秀賞1編、秀賞2編、佳作8編が決まった。燕中等教育学校では、小嶋悠稟(こじま ゆうり)さん(15)=燕市=が県内でただひとりの優秀賞を受け、川上世奈(かわかみ せな)さん(15)=同=が佳作に決まった。
このコンテストで燕中等教育学校の生徒が表彰を受けたのは初めて。新潟支店は県内の優秀賞と秀賞を受けた3人が在学する学校にはそれぞれ出向いて表彰式を行い、その皮切りの燕中等教育学校では、佐藤均県央営業所長から受賞の2人に表彰状や記念品を手渡し、萱森校長にも学校賞の表彰状や目録を贈った。
小嶋さんの作品は『本当の私』。自身が「繊細さん」として話題になったHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)であることに気づいた。「本当の私」を認めて、短所かもしれないが長所であると言い換えて受け入れていくことにしたことを自分に向き合ってつづった。
川上さんの作品は『「自分の好き」を大切に』。自分がいちばんだと思っていた絵を描くことが、中学校に入って自分の力を思い知り、失望した。成長に伴う全能感の消失に、「人のため」ではなく「自分のため」、「人の好き」よりも「自分の好き」に絵を描くことに気持ちの持ちよう変えたことを打ち明けた。
表彰式後、小嶋さんは「大変な時期が今まであったんですけど、それを乗り越えられたのは周りで理解してくれる人がたくさんいてくれたからだと思うので、まずは感謝の気持ちが大きい」と言い、「文章を書いて自分の考えを伝えるのは好きだけど、作文力があるというとそうではないと思う」、「伝えたいことが最初から決まっていたので、どうそれを表現するのか難しかった」と話した。
川上さんは「こんな賞をもらえると思っていなかったので、すごく驚いていますけど、受賞できて本当にうれしい」。萱森校長は「日ごろのいろいろな思いや努力をこういう形にでき、それがこうして表彰していただけて本人たちの今後の自身やいろいろ乗り越えていくうえで励みになると感謝している」と生徒の受賞を喜んだ。
2人の作品をはじめすべての受賞作品はホームページ「中学生作文コンクール|東北電力」で読むことができる。