三条市の来年度当初予算は2.6%減の461億3700万円「選びたくなるまち」へ (2022.2.17)
新潟県三条市は17日、令和4年度三条市当初予算概要説明会を開き、市議会に予算案を示した。一般会計は前年度比2.6%、12億4600万円減の461億3700万円。「選びたくなるまち」の実現に向けた施策を展開する。
滝沢亮市長は冒頭、「感染症の影響で市税収入の減少が見込まれ、引き続き厳しい状況のなかでの予算編成となったが、新たな総合計画の策定を見据え、事業の再構築を行うとともに健全財政の維持を基本に編成した」あいさつした。
さらに予算の編成方針について説明した。新型コロナウイルス感染症対策で多額の一般財源負担が生じ、所得や企業収益も減少して市税など一般財源収入の低迷が続く一方、デジタル技術を活用した柔軟な働き方やビジネスモデルの変化、地方への移住の加速など社会が大きく動き出している。
このような状況で来年度の予算編成では、ワクチン接種の推進、PCR検査費用の助成といった感染症の拡大防止に取り組みながら「『選びたくなるまち三条』の実現に向け、これまでの取り組みの成果や達成度等を確認したうえで、社会の変化に対応した事業の再構築を行うとともに、将来にわたって健全な財政運営を維持するべく、財政調整基金残高20億円程度を堅持するという財政規律を遵守した予算編成を行った」と述べた。
その後に行った記者会見では、「市民の方を向いた地に足の着いた予算というのがひとつのメッセージ、目玉」とし、移住する人に選んでもらえる魅力的なまちにするのは大事だが「住民の幸せを考えるのが行政として最優先」とした。
さらに財政調整基金が昨年度の59億円から今年度の決算見込みは62億円、さらに令和4年度の決算見込みが63億円となっていることについて「増えたからと言って安心するのではなく、健全財政を最優先に考えて予算を策定した」と述べた。令和4年度の主な重点施策は次の通り。
■地域産業の未来をつくる 約6.8億円
- 地域産業の将来ビジョンの策定（549万円）
- デジタルトランスフォーメーションの推進（1056万円）
- 新たな価値を創出する起業家の育成（726万円）
- 持続可能な農業経営に向けた支援（1000万円）
- 地域の魅力を伝える攻めの情報発信の展開（2048万円）
■子どもの安全、安心を守る 約47.3億円
- 通学路の安全を守る環境整備（2億7841万円）
- 保育所等の駐車場の安全確保（3703万円）
- 市立学校のトイレの環境の改善（12億6181万円）
■次代を担う子どもを健やかに育む 約7.8億円
- 就学援助の拡大（579万円）
- 3歳未満保育の無償化拡大（500万円）
- 保育士等の処遇改善（6620万円）
- 子どもを持ちたい方に対する独自支援の実施（1355万円）
- 妊産婦医療費助成の大幅拡充（926万円）
- 月岡児童クラブの新築（1億0209万円）
- 科学的思考力創造力の育成（6779万円）
■誰もが自分らしく暮らせる地域社会をつくる 約4.7億円
- 障がいのある方の働く場の確保（2537万円）
- 地域生活支援事業（5340万円）
- ［重層的支援体制整備］生活困窮者自立支援事業（1300万円）
- ［重層的支援体制整備］権利擁護支援事業（340万円）
- ［重層的支援体制整備］情報共有システム整備事業（252万円）
- 社会的少数者が過ごしやすい環境づくり（375万円）
■下田地域の魅力を再発見、再編集する 約3.3億円
- 越後・南会津街道の魅力の創出、発信（522万円）
- 「おもてなしの花束」プロジェクト（1080万円）
- 地域の農業、農作物のブランド力の工場（400万円）
- 森林環境の保全に向けたJ-クレジット制度の導入（475万円）
■行政サービスの利便性を高める 約1.6億円
- 企業施設予約手続きの完全オンライン化（320万円）
- ライフスタイルに応じた読書機会の創出（537万円）
- 保育所等における事務効率の改善（1165万円）
■その他 約24.2億円
- ふるさと三条応援寄附金推進事業 （1,231百万円）
- 地域おこし協力活動事業 （323百万円）
- 水害対策事業 （93百万円）
- 緊急内水対策事業 （187百万円）
- 田島曲渕線道路改良事業 （113百万円）
- 歴史民俗産業資料館の機能充実 （185百万円）
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