三条市議会の市民福祉・総務文教・経済建設常任委員連合協議会は、7月24日のオープンに向けて三条小学校跡地で建設が進む図書館等複合施設「まちやま」を22日、視察した。
「まちやま」は図書館と鍛冶ミュージアム、科学教育センターなど備える複合施設。 東京五輪のメーンスタジアムとなった国立競技場をデザインした建築家、隈研吾さんが主宰する隈研吾建築都市設計事務所の基本・実施設計を担当したことでも大きな注目を集めている。
本館とホールの2棟を屋根で結ぶ。いずれも鉄筋コンクリート造の一部鉄骨造で、本館は3階建で延べ床面積4388平方メートル、ホールは733平方メートル。これまでの主な工事の請負額は26億6776万円になる。
ホールは、300平方メートルの学習ホール(サイエンスホール)で、300インチのスクリーンを備え、多目的に利用できる。
本館は1階が開架、鍛冶ミュージアム、カフェ、学習室2つ、2階段は開架、会議室、ボランティア室、3階は開架、閉架などを備える。
指定管理者による業務委託事業として公募した飲食事業者には、本館のカフェコーナーは3件の応募からフランスで料理人として活躍する三条市出身の相田康次さんが代表取締役に就く株式会社DEN(神奈川県湯河原町)、まちなか広場の「ステージえんがわ」はこれまで通り株式会社リトモ(熊倉誠之助代表取締役・新潟市西蒲区)を選定した。
書架の収納冊数は、現在の三条市立図書館が開架12万冊、閉架15万冊に対し、開架15万冊、閉架17万冊に拡大する。ただ、1983年(昭和58)に開館した三条市立図書館は、開館当初から開架の不足が問題になったが、それと比べて収納冊数は25%増にとどまる。
「まちやま」の外観は、隈研吾さんのデザインで象徴的な木材で飾る。地場産業の製造業の現場である工場をデザインに生かした。天井を張らずに配管や配線をむきだしにし、鍛冶ミュージアムを中心に床は工場の床のような汚しを施した。
カウンターの天板は木製だが、鉄板にしか見えない加工を施した。自動ドアの上にある開閉用の装置は隠さずにわざと見えるようにし、打ちっ放しのコンクリートのはりが見えるようにした所もある。全体としては吹き抜け部分が多く開放的な印象だ。
視察した市議は、工場感にこだわった工夫に感心。「さすが隈さん」と目を見張っていた。